アルチュール・ランボー
8
僕は自分に告げました、忘れよう。そして逢わずにいるとしよう無上の歓喜の予約なぞあらずもがなよ、なくもがな。
1
おいでよ、おいでよ、ねえ、お前、わしはお前が好きなんだ。きっとすてきに楽しいよ!
0
人間的な願望から人並みのあこがれから、魂よ、つまりお前は脱却し、そして自由に飛ぶという・・・・・。
2
世間的ではない声よ、つつましやかな光栄で僕を取りまいておくれ。
路傍の石に腰掛けて、星の言葉に聴き入った。
彼は感じる、身に享ける緩急の愛撫につれて、泣きたいほどの切なさが湧き上がりまた消えるのを。
泣きながら、僕は金いろのものを見た、そのくせ飲めはしなかった。
奴らの下卑たひやかしが、僕の心臓を荒ませた!
どうやらそれでも寝部屋まで彼女の肌の味わいは持って戻った。
絶対に希望はないぞ、希いの筋も許されぬ。学問と我慢がやっと許してもらえるだけで……。刑罰だけが確実で。
3
やがてあなたは気づくでしょう、頬がひりひりしてきたと。軽い接吻が気狂いの蜘蛛ほど走り廻るでしょう。あなたの華奢な襟首を。
ゆっくり行こうよ、流れのほうへ、そこから深い森の奥へ!
幸福が僕に力を入れるので、僕は幸福に飽いちゃった。
4
いよいよ君は恋する身、八月までは仕切られて!いよいよ君は恋する身、君の短詩を彼女は嘲笑う。
僕は我慢に我慢した。おかげで一生忘れない。怖れもそして苦しみも天高く舞い去った。ところが悪い渇望が僕の血管を暗くした。ほったらかしの牧の草生えて育って花が咲くよいもわるいも同じ草すごいうなりを立てながらきたない蝿めが寄りたかる。
どんな夢見に憑かれるか?不可思議のアジアの夢か京のまた大阪の?
あらゆるものに縛られた哀れ空しい青春よ、気むずかしさが原因で僕は一生をふいにした。
食おうじゃないか、空気を、岩を、石炭、鉄を。
心いそいそ、行儀よく手袋かけて、気味悪いほど落着いて。
見渡す限り恋の天地さ!もっと、こっちへ、くっつきたまえよ!
アルチュール・ランボーのすべての名言