アルチュール・ランボー
1
十七歳、まだ分別にやや欠ける。無理はない、遊歩場に、緑の菩堤樹が並んでる。
2
ゴールの鶏の鳴くたびに僕ら幸福を敬遠しよう。
はき換えのないズボンにも大きな穴があいていた。
恋の息吹が吹きすぎた、夜の暗がりを・・・・・。
0
六月の宵!十七歳!・・・・・うっとりするね。
ああ!すべての壺を干しちまう!
壮りの血気はシャンパンさ、頭へのぼる。ぶらつくほどに、唇にわなわなと接吻を感じる。はっきりここに、生きもののような。
昼顔の毒でもなめろ。
接吻欲しさの手管と知れた!小さな声で、「さわってみてよ、あたしの頬っぺに風邪ひいちゃったらしい・・・・・。」。
わしはその時つかむだろうか、こんな具合に、見事なお前のその下髪!
3
もの言わず、ものも思わず、愛のみが心に湧いて、さすらいの子のごと遠く僕は行く。
ああ、眠りたい、煮え立ちたい、ソロモン王の祭壇で。
どんな夢見に憑かれるか?不可思議のアジアの夢か京のまた大阪の?
4
消えましよ、手引きもなしにかの雲の消ゆるあたりに、おお、清新にまもられて!
もう一度探し出したぞ。何を?永遠を。それは、太陽と番った海だ。
8
いよいよ君は恋する身、八月までは仕切られて!いよいよ君は恋する身、君の短詩を彼女は嘲笑う。
声の一つが、何という、天使のような声だろう!
やがてあなたは気づくでしょう、頬がひりひりしてきたと。軽い接吻が気狂いの蜘蛛ほど走り廻るでしょう。あなたの華奢な襟首を。
ひたすらに行いすます世捨てびとその精進を忘れまい。聖母マリアのお姿以外あこがれ知らぬつつましい。かくも哀れな魂のやもめぐらしの憂さつらさ。童貞女マリアに願をかけようか?
どうやらそれでも寝部屋まで彼女の肌の味わいは持って戻った。
アルチュール・ランボーのすべての名言