社会部で警視庁捜査一課担当になってからが地獄でした。捜査本部のその日の捜査が終わり、捜査会談が終わるのが夜の10時。それから彼らは一杯飲んで終電で帰る。午前1時くらいですよ。それをこちらは待ち伏せる。家の前で待つと他社に気づかれるので、途中の住宅街の電柱の陰に隠れて待つ。パトカーが来て職務質問されたりしたこともありました。そんなことを1年365日のうち、360日繰り返す。家に帰って寝るのは深夜3時。ところが朝5時に「特ダネを抜かれている、いますぐ追いかけろ」と社から電話がかかってくる。こういうことを2年間やったら、世の中につらい仕事はなくなりましたね。
池上彰
池上彰のその他の名言
-
上手く話せるようになりたいなら、「この人は話が上手い」と思う人を見つけて、なぜその人の話が面白いのかを考えてみてください。
-
会社の論理に染まって悪事に手を染めたり、働き過ぎで倒れたりして、自分を見失わないでほしい。最後は自分で自分を守るしかない。そういう意味で強くあってほしい。組織よりまず、自分を大切にしてほしい。
-
若い頃に読んで皮相的になんとなくわかった気になっているけれども、ある程度経ってから読み返すと、また新しい発見がいくらでもある。
-
ニュースを伝えるとき、自分としてはなるべく独自の視点を出さないようにしています。片寄った見方ではなく、バランスよく事実関係を提供して、判断は視聴者にお任せしたい。
-
日本人に限らず、人間は社会的な動物です。そうである以上、大成功を収めた場合も、ほかの人や周りから何かしらの恩恵を受けているのは確かです。社会の一員である以上、「おかげさま」の精神は必要なのです。