秋元康
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昔からスタッフにはよく、「カルピスの原液を作れ」と言っています。その原液があれば、色々なところがそれを使ってアイスクリームやキャンディーなどを作りたいと言ってきますよね。今のアイドル産業は、例えるなら誰でも使えるカルピスの原液を提供している産業。オープンなプラットフォームだからこそ、僕なんかが思いもつかないアイデアを、誰かが持ってきてくれるんです。
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アーティストはマーケットを考えず、自分が作りたいものを作る。
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経産省とクールジャパンとして、いろいろ海外に向かおうとしているところです。日本のコンテンツ力を見せつけたいですね。
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人は一生懸命に生きようとそうでなかろうと、それによって寿命が延びる保証はありません。
生活・文化面で今年のキーワードをあげるとしたら「最小公倍数」でしょう。これまで日本では「最大公約数」が重要でした。音楽業界やテレビ業界も、子供からお年寄りまで、万人に受け入れられるものを求めてきたんです。しかし、これだけ嗜好が細分化されてくると、そういうやり方はもう通用しません。
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インターネットで公開されている情報よりも、みんなが情報だと思ってないことに気づくことのほうが、じつは情報としての価値は高いということである。
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時間に追われている人は人生を楽しめない。無駄な時間の中にこそ、宝物は埋まっているのです。
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秋葉原のAKB48劇場には、客席内前方の左右に2本の太い柱があるんですよ。そのせいで、客席のどの位置にいてもステージ全体を見ることができません。でも最初に下見をした時に、柱があるからこそ面白いと感じました。知恵が生まれる、と。ファンの人たちは、目当てのコを見るためには、どこだったら柱に邪魔されないか、情報交換をして盛り上がっています。
心掛けてきたことはソフトを重視してきたこと。他の業界、特に製造業系の人と話をしていると、多くの人がハードウエアの「スペック」を重視していると感じます。例えばテレビなら、4Kや8Kってこんな性能で、こんなにすごいんですよって最初に説明しますよね。でもその性能を使ってどうするのか、という視点が足りないのではと感じます。4K、8Kで何を見たいのか。そのソフトの部分が一番重要。
これからは、少人数のグループに共通するものが広がっていきます。テレビなどのマスメディアからヒットが生まれた時代から、小さなところで点いた火が広がっていく時代になったのです。マジョリティーの優位性がなくなりつつあるんです。
企画が評価されるためには、「次は何が起きるんだろう?」という意外性を、どうやって受け手に感じてもらえるかが大切。
自分の幸せが定義付けできない人は、何も手に入らない。
人を説得するということは人をだますことではない。自分だったらどうするかということを、相手の立場に立って考えることである。
努力がなかなか報われない場合、どうすればいいか?……人のせいにしなさい。君の努力の結果に気づいていない、まわりの人間がいけないのです。もちろん、これ以上努力のしようがないくらい努力した場合ですよ。「この人たちには見る目がない」と思いなさい。
残念ながら、僕が君を幸せにすることはできない。君を幸せにしてくれるのは、君自身。
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幸運をつかむには、方法も、法則も、テクニックもない。あるとすれば、ただひとつだけ。自分は運がいいと思うこと。
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テレビの影響力は確かに大きいのですが、常に新しい情報を発信しているため、情報が古くなると注目されなくなります。だから長続きしない。ところがAKB48のように、ひとつの劇場からスタートすると、ファンはそこに通うのが習慣になります。コアなファンは裏切らないから人気も長続きするんです。
僕にとっての緊張感というのは、孤独との闘いだった気がしますね。評価されなくても、ひとりでも続けるという。もちろん、スタッフや仲間はいますが、自分の仕事の局面でジャッジするのは自分ひとりの意思ですから。
僕は今、スターになっている人を20人くらい、オーディションで落としたり、プロデュースを断ったり、クリエイターとして興味を持てませんでした。僕の目は節穴です。いや、みんな節穴なんです。きっと、自分の能力、努力をわかってくれる人がいると思えばいいんです。
私は50歳を過ぎて人気アイドルグループAKB48の曲の作詞をしていますが、女子学生に対して取材など全くしておりません。私が女子学生に話を聞いて作詞してしまうと、普遍的に理解できない曲ができてしまうのです。私は、誰もが受け入れられる言葉の中から面白いと感じたものを使います。
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