黒田官兵衛
1
その人の本質はそのまま残し変化に対応するには、常に柔軟でなければいけない。
2
金銀を用いるべき事に用いなければ、石瓦と同じである。
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分別過ぐれば、大事の合戦は成し難し。
もらった者は喜ぶであろうが、もらわぬ者は恨むであろう。誰にやって誰にやらない、でよいというわけのものではない。しかし、だからといって功のない者にもやれば、功のある者に賞を与えるとき、その甲斐がない。だから、古い物をやりたいと思うときは安く払い下げるのだ。お前たちにしても、わずかの銭を出して買う方が得であろう。
最期の勝ちを得るにはどうしたらいいかを考えよ。
上司の弱点を指摘してはならない。
四角な器にも円い器にも、水は器に応じてはいる。
その時、お前の左手は何をしていたのだ?
思いおく言の葉なくて、ついに行く、道は迷はじなるにまかせて。
我が君主は天にあり。
戦いは考え過ぎては勝機を逸する。たとえ草履と下駄とをちぐはぐに履いてでもすぐに駆け出すほどの決断。それが大切だ。
3
人間には必ず相口、不相口というのがある。相口というのは、他人の心をよく知ってそれに合わせる事だ。不相口というのは、逆らって異見を言う者をいう。が、大切なのは不相口であって、相口の者ばかりまわりに集めたのでは、決してその者にとっていいことではない。不相口の者が言う異見に耳を傾けるべきだ。
蒸気となり雲となり雨となり雪と変じヒョウと化し凝っては玲瓏たる鏡となりたえるも其性を失わざるは水なり。
自ら潔うして他の汚濁を洗い、しかも清濁併せ容るるは水なり。
槍・太刀・弓馬の諸芸を自から行なうのを、身分の低い者の仕事であるとして、自分で一度も行なわなかったならば、家来たちの武芸も進歩することがないだろう。
私一人の注意では、多くの家来たちに届くまいから、見のがすことも多いだろう。よくないことがあったなら、遠慮なく早く知らせてほしい。
常に己れの進路を求めてやまざるは水なり。
文武は車の両輪のごとく、そのひとつが欠けても駄目である、と昔の人もいっている。治世に文を用い、乱世に武を用いるのは、当然のことであるが、治世に武を忘れず、乱世に文を捨てないのが、最も肝要である。
障害に遭いて激し、その勢力を百倍にするは水なり。
大将が文道を好むというのは、必ずしも書物を多く読み、詩を作り、故事を覚え、文字を嗜むことではない。誠の道を求め、何事につけても吟味工夫を怠らず、筋目をたがえず善悪をただし、賞罰を明らかにして、心に憐みの深いのをいう。
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