蜷川実花
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うちの母が「妬む人よりは妬まれる人の方がいいんじゃない」って言われて、確かになぁと思って。
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まあ、私はとにかく自立してる女が好きなんです。あと自分を愛せる人は素敵ですねぇ。
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女性の難しいところって、「だって好きなんだもん」って思って、いいものを作ったり、いい感覚を持ってたりする人はたくさんいるのに、それを世の中に出して、お金に変えるための俯瞰の目線を、持っていないことなんじゃないかな。もったいないですね。
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どこに目を向けるかなんです。自分で自分の楽しいことに焦点を当てて、そこを育てて生きていくのが、本当に大事です。
自分にリミットをかけない。
去年の11月にオーストリアに旅行したんです。それまでテーマが決まっている写真を撮ることが続いてたんですけど、その時は「とにかく撮りたいから撮る」って写真を、久しぶりにいっぱい撮れた。それが本当に楽しくて。やっぱり自分の原点はこれだな、と。「撮りたい!」という気持ちにいかに純粋になるかだと、あらためて思いましたね。
最後の最後まで、次何作ろうかなって思って死にたい。
無名な時からこんななので、当時は「態度がでかい、生意気」って言われたんですけど、世に知られていくと同時に「有名なのに、いい人」に変わっていったんですよね。
女子には出来る限りこうありたい自分でいる。逆に男子の前ではある程度ダメな部分を出すかなあ。というか素直に出来ない事は頼ります。結構男子は喜んで助けてくれるし、変に肩肘はって接するより関係がスムーズになると思う。
美しい意思のある肉体はいいねー女子も男子も。
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小さいことから解放していく。言っておくけど、あなたの自意識はあなただけのもので、そんな風に誰もあなたを見ていないから大丈夫よ。
私、いいところを見つけるのは得意で。撮影って2、3時間じゃないですか、その時間だけ相手を好きになることは出来るんです。脳内でピントを合わせる時に、「ああこの人、ステキ、好き好き」って、期間限定だったら出来るんです。
三十過ぎるくらいってなんとなく仕事も一巡して経験値もあがってくる頃。ついつい自分は出来る気になってるから上の出来なさに辟易としたり、下にはきつめにあたったり。たとえそれが正しく正論でも、あたりがきつすぎると関係がギクシャクするでしょ?正論ってなかなか難しいです。もちろん正しいんだけどそれだけじゃどうにもならない事いっぱいあるしねー。少し意識するだけでだいぶ違うと思う。仕事出来て、女性として柔らかいのが理想です。
中高生の時は、文学少女ではあったんですけど、チーマー全盛期だったので、そういう格好をして歩いたりして。当時って、文化系とそうでないものが、はっきり分かれてたじゃないですか。優等生か不良か、みたいな。両方っていうのは、珍しかったと思います。センター街にいるんだけど、カバンには太宰治が入ってるような。
ポイントは「カッコいい事をやる」、ではなく「カッコ悪いことはやらない」ってとこ。カッコいい事をやろうとすると無理が出てくるし、むいてない事もしなきゃいけなくなるでしょ。でもカッコ悪いと思うことをやらないだと、またニュアンスが変わるんです。~中略~カッコ悪くないか、粋か、野暮か、は重要です。あくまで、他人対してどうかではなく、自分にとってどうかです。
踏み出さないと永遠にはじまらない。
細かいところで、この影が嫌だ!ってこだわっているうちに、モデルさんが疲れてテンションが下がっちゃうくらいなら、「こんな影、誰も見ないよ!」と割り切って、いい表情のうちに撮るんです。
私はしょっちゅう写真の整理をしていて、ファイリングが趣味みたいなところがあるんです。
とにかく私はよくやるんですが、クライアントからいろんな要求があった時、違うなと思っていちどやって見せるようにしています。もちろん出来ない事もあるけど、出来る限りやってみせちゃう。そうすることによってやっぱり良くないねってなることはすごく多いです。ヴィジュアルのプロじゃない限り目で見なくちゃわからないのはあたりまえ。逆にいうと見ればわかる事がほとんど。なのでことばで説得するよりも見て納得してもらうほうがシンプルです。
自分で自分を認めて、自分のことが愛せるような状況になるっていうのが一番重要なんだなって思ってます。
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