宮沢賢治の名言
童話作家、詩人
宮沢賢治の名言。全59個。
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何がしあわせかわからないです。本当にどんなに辛いことでも、それが正しい道を進む中の出来事なら、峠の上りも下りもみんな、本当の幸せに近づく一足づつですから。
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日照りの時は涙を流し寒さの夏はおろおろ歩きみんなにでくのぼーと呼ばれ褒められもせず苦にもされずそういうものにわたしはなりたい。
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もうけつしてさびしくはない。なんべんさびしくないと云つたとこで、またさびしくなるのはきまつてゐる。けれどもここはこれでいいのだ。すべてさびしさと悲傷とを焚いて、ひとはとうめいな軌道をすすむ。
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きみのようにさ、吹雪やわずかの仕事のひまで泣きながら体に刻んでいく勉強が、まもなくぐんぐん強い芽を噴いて、どこまでのびるかわからない。それがこれからの新しい学問の始まりなんだ。
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人間は他人のことを思いやって行動し、良い結果を得た時に、心からの喜びを感じるものである。その喜びこそ、人間愛に基づくほんとうの「幸せ」なのである。
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まことのことばはうしなはれ雲はちぎれてそらをとぶああかがやきの四月の底をはぎしり燃えてゆききする。おれはひとりの修羅なのだ。
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諸君よ。紺いろの地平線が膨らみ高まるときに、諸君はその中に没することを欲するか。じつに諸君はその地平線に於る。あらゆる形の山岳でなければならぬ。
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もしそれ人とは人のからだのことであると、そういうならば誤りであるように。さりとて人は、からだと心であるというならば、これも誤りであるように。さりとて人は心であるというならば、また誤りであるように。
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わたくしといふ現象は、仮定された有機交流電燈のひとつの青い証明です。風景やみんなといつしよにせはしくせはしく明滅しながら、いかにもたしかにともりつづける。因果交流電燈のひとつの青い照明です。
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あなたの方から見たらずいぶんさんたんたるけしきでしょうがわたくしから見えるのはやっぱりきれいな青ぞらとすきとおった風ばかりです。
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血がでてゐるにかかはらず。こんなにのんきで苦しくないのは、魂魄なかばからだをはなれたのですかな。ただどうも血のために、それを云へないのがひどいです。
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だめでしょう。とまりませんながぶがぶ湧いているですからな。ゆうべからねむらず血も出つづけなもんですからそこらは青くしんしんとしてどうもまもなく死にそうです。けれどもなんといい風でしょう。
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ぼんやりとしてそれでいて何だか堅苦しそうにしている新入生はおかしなものだ。ところがいまにみんな暴れ出す。来年になるとあれがみんな二年生になっていい気になる。
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銀の波を泳いできました。ああさっぱりした。ある夜、眼前に拡がる麦畑のうねに飛び込んでいき、一時間ほど抜き手で泳ぐように走り回った後で。