長い目で人生を考えると、人を騙すより、騙されるほうがまだましです。人を一度騙してしまうと、信頼を失います。「優しいと思ったけど実は冷たかった」「仲良くなったけど結局貸した金を返してくれなかった」というような人とは二度と付き合おうと思わないでしょう。騙しや裏切りを繰り返しながら生きるのは、一時的には得することもありますが、やがてどこかで嘘がばれ、その噂が駆け巡って、信頼を失います。そういう事態になると、もうリカバリーは不可能で、真の孤独という耐えられない末路を迎えることになります。そういった人たちは、確かに少なからず存在して、一見、楽で、得をしながら生きているように思えることもありますが、本当は可哀相な人たちです。
村上龍
村上龍のその他の名言
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複数の選択肢の中で揺れていて決断できない場合に、誰かの回答を必要とする悩みや葛藤が起きる。優先順位をつけることができれば、誰かに相談する必要はない。
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集団のルールには従わないといけない、という決まりごと以外に、わたしたちは目の前の個別の児童・生徒に対し、果たして言葉を持っているのだろうか。
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去っていった女はとても良く見える。客観的に考えると、たいていその良さは幻想なのですが、当人はなかなか気づくことができない。
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幸福は金では買えないというのは嘘だ、金持ち達の心や社会が歪んでいるというのも嘘だ、貧しいけれど小さな幸福というのも嘘だ、貧しい人間には快楽も情報も与えられない。
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「モヤモヤ」した感じの底にあるのは、「もっといい人生を送りたい」という正当な欲求。向上心の現れ。「自分にはもっと違う人生があるはずだ」とどこかで思うことが、向上や進化に結びつく第一歩。