村上龍
2
ハンターは決して絶望しません。
0
歴史が望むのであれば、私は独裁者となるでしょう。
1
「俺は必ずやれる」という意思と喜び、それを才能という。決め付けちゃいけない。才能が無いと決め付ける方が楽だ。
衣服が汚れたり、不潔になったりしてくると、人間はプライドが無くなって、不注意になって、敵からやられる。
私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。
3
「私の人生って何だろう」というような「モヤモヤ」を感じない人というのは、仕事において言われたことや指示されたことしかやらないダメな社員であることが多い。指示されたことだけをこなすのではなく、まず最初に、なぜこの仕事が重要なのか、この仕事をさらに充実させるためにはどうすればいいかを考えるべき。
映画のプレゼンの場合、よく言われるのは、「まずひと言で、その映画の特性と魅力を言い切る」ということです。どんな映画なのかを、ひと言で言うわけです。ひと言で言い切るのは簡単ではないですが、その「決め」のひと言を考えるのは、企画内容を自ら深く理解し、プレゼン全体を効果的なものにするのにも役立ちます。
この国では、無知、あるいは知識や情報が足りないことが場合によって罪悪になるという認識が薄い。
すべてのプレゼンターにも共通する大切なポイントはあります。それは「話術」ではなく「周到な準備」です。企画をスポンサー候補の企業などに説明するときには、あらゆる資料を準備します。あらゆるものを用意します。プレゼン素材全部そろえたら、あとは、説明する順番を決めます。これがとても大事です。一番最初に説明するのは、その企画・商品の特性と魅力ですが、できるだけシンプルに、また本質を表すことができる言葉を選んで、注目を引くように心がけます。
ダメな女とは、仲間を欲しがる女である。
現実を受け入れるためには、まず最初に現実を把握することからはじめるべきです。そして把握するためには、「現実を見る」ことが必要ですが、これも簡単ではない。私たちは、嫌なことからは目を背けたいという本能を持っているからです。
成功とは、生活していけるだけの収入と充実感を持てる仕事を持ち、かつ信頼できる最小の共同体に帰属していること。
金だけでできることは面白くない。金だけではF1チームは作れない。ノウハウの蓄積が必要で、そのノウハウは自分で手に入れない限り、誰も教えてくれない。そして、この世の中で面白いことはすべて不動産屋的発想ではできない。この種の発想に寄ってくるのは男も女もカスばかりだ。
全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。
夢は、夢である間だけ、システムに抗する力がある。夢が作品になれば、それで終わりだ。
人間でスポイルされた奴は神から射殺される。
どこか「いいなあ」と思える部分があるかどうかは重要。人間は、まったくリスペクトができない人とは、友人だろうが、恋人だろうが、付き合いは長続きしない。
成功するために、まさしく「身も蓋もない努力」をしている。
絶望したときに発狂から救ってくれるのは、友人でもカウンセラーでもなく、プライドである。
失恋に限らず、死別や、別居などでもそうなのですが、別れたときの哀しみ、喪失感というのは、確かに耐えがたいものがあります。ただし、その哀しみや喪失感は、私たちにとって必要なものだという精神医学者や心理学者の指摘もあります。それは、失った人のことを、心に刻みつけるために必要なのだそうです。刻みつけるというか、心の中に、その別れた人の居場所というか、自分にとってどんな人だったのかを再確認するために、悲しみや喪失感が必要だということです。私たちは、生まれたときから、出会いと別れを繰り返して生きていくわけです。別れた人を、自分の心のどの部分に、どのような形でイメージとしてとどめるのか、それを定めるために悲しみや喪失感があって、辛く悲しいけど、「必要なのだ」と思えば、少しは違うかも知れません。
村上龍のすべての名言