基礎研究開発の象徴であった三菱化学生命科学研究所を閉鎖しました。同研究所は学術的に同分野をリードしてきました。研究に力を入れる当社の象徴でもあり、いわば聖域でした。もっとも、毎年30億円程度を投じているにもかかわらず、事業への貢献がほとんどありません。「赤字は罪悪だ」と言って事業の構造改革を進めている時に黙って見過ごせませんでした。誰かに相談したら「存続した方がいい」というのは目に見えていましたので、1人で閉鎖を決めました。
小林喜光
小林喜光のその他の名言
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将来性のないものは捨てます。もうからなくてもとりあえず黒字なら残そうという昔の理屈はもう通りません。資本には限りがあります。効率よく使わないと。
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ひらめいたアイデアは大きめのサイズの付箋に書きとめます。そして手帳に貼り付け、仕事へとつなげます。以前は手帳に直接書き込んでいましたが、貼り付ける方式の方がはるかに手軽です。
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会議は「何を、誰が、いつまでに」を決めます。つまり、「行うべきアイテム」「実行責任者」「デューデイト」のアクションプランを決めさえすればいい場です。これが曖昧だから長引くのです。
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過去の延長線上に未来はない。今は過去に前例のない大革命の時代。常に前を向いて、全身全霊で新しい産業革命を牽引していくとき。
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ストーリー性のある事業が大切。単品ですと、付加価値をどこで出していくかが難しい。素材から販売チャネル、ブランド展開も含めて、連続的に考えていくことが必要。
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三菱化学メディア社長時代に行ったの改革については後に、同業他社から「誰でもできる」と言われました。確かにその通りですよ。ただ、「早くできるか」は別です。
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考えをまとめていく作業は、やはり手書きが一番ですね。手を動かしながら考えると、自然と頭の中が整理されていく。手で書いたことは、記憶にも残りますしね。
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経営者は大抵「危機感を持て」と言いますから、中途半端に言っても社員の意識には刺さりません。私自身、意識改革を促す時は、事業所内に標語などのポスターをよく張りました。「ポスター魔」とも言われたほどです。
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我々経済人も、単に儲ければいいという時代は終わった。社会にどう貢献するか、新しいイノベーションを社会にどう提供できるかが原点。そのことが企業の品格にもつながる。