兼元謙任
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僕はいま50歳ですけど、まだまだ成長していきたい。うちだけではなく、どこの企業でも、会社と一緒に成長してくれる人材を求めていると思いますよ。
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思い込みの力は大きい。人間って「できない」と思うとできなくて、「できる」と思うとできるもの。
漠然とした不安や期待でお金を使わないことが大事です。有料の交流会なども、「人脈づくりのチャンスがあるかも」程度ならパスすべきです。お金を出していいのは、たとえば「TOEICで何点を取れればこのポストにつけて、給料がいくら上がる。だから教材費にこれだけかけても採算がとれる」というように、明確にいえる場合だけです。
洗脳とかマインドコントロールとか言うと、胡散臭いと感じる人もいるかもしれません。でも、現実をどう感じるかは認識、心の問題です。自分の認識を変えれば、たとえば「会社の業績が悪くて給料が下がる」という状況は同じでも、不安は減らせます。
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私は「自分は飲みに行きません」と宣言しています。どうしても断れない席でも「ウーロン茶しか飲みません」と宣言します。お酒を飲んでも気持ちよくなれない体質なのです。はっきりと「飲みに行きません」と言ってしまえば、「そういう人なんだな」と思ってもらえます。それで付き合いがなくなるなら、ご縁がなかったということです。要するに、「飲み会に出なきゃ」というのは根拠のない不安なんです。
仕事に情熱を傾けられる人は、本人も成長するし、会社の成長にも繋がる。
お金に対する不安を克服するには、自分の不健全さを自覚することが大切です。「自分は自己信頼を失った不健全な状態にある。だから、お金に対する不安が湧いてきてしまうんだ」と思うだけでずいぶん楽になります。そのうえで、自分を洗脳し直します。「私はお金に対して自由だ」「必要なお金はちゃんと入ってくる」と毎日言い続けるんです。私もある先輩経営者にこれを勧められたときは半信半疑でしたが、やってみると効果があります。本当にお金に対する不安が消えていきます。
いまでもホームレス時代と基本的な金銭感覚は変わっていません。
「お金がない」といっても、本当に1円も持っていない人はまずいないでしょう。「いますぐ、欲しいものを手に入れるだけのお金はない」だけです。ところが「いますぐ」という枕詞を取って、「お金がない」と簡単に口に出してしまう。「俺はお金に不自由している!」というマインドコントロールを自分に施しているようなものです。これを長年にわたって続けていれば、惰性が働いて自己信頼が弱まってしまうのは当然です。
世界知識資産の創造。これこそ、ぼくがオーケイウェブで実現したいものです。これを実現しないことには、死んでも死にきれません。
いまでもバスに乗らずに歩いてみたりします。ただ、誤解しないでほしいんですが、ケチとは違うんです。歩くことで四季の移り変わりや自然の美しさを感じることができるでしょう。こういう心の余裕や感性をなくしたら、いい仕事もできないと思います。
石油を運ぶ巨大なタンカーがありますよね。長い距離を航行してきて、目的地が近づき、いざ入港というときには、数キロ前からスクリューを逆回転させなければ上手く停止できません。それくらい、長い時間続いた一定方向への動きを修正するのは難しいのです。
自己信頼がしっかりしていれば、不安をあおる周囲の声に流されることはありません。不安になるのも、節約を楽しんでお金から自由になるのも、自分で選べるんです。
お金の不安をなくすためには、「滅多なことでは人は死なない」と知ることでしょう。私は1997年秋から99年夏ごろまでホームレス生活をしましたが、ちゃんと生き延びることができました。そればかりか、会社を立ち上げることもできました。いまは100円でハンバーガーが食べられる時代ですし、日本の水道水は安心して飲めます。清潔な公衆トイレは使い放題、図書館では無料で勉強できるのです。
不況だ何だといっても、まだまだ日本は豊かです。この恵まれた環境で仕事ができるのは大きなチャンスです。不安など感じている場合ではありません。
クレーム内容が、お客様の勘違いであった場合、お客様と私たちで意見の食い違った点を一緒に考えてもらうようお願いします。お客様との対決を避け、問題をいったん外に置いて、客観的にしてから一緒に誤解を解いていく。決して難しいことではありません。
欲しかったものをやっと手にいれたら、急に気持ちが冷めてしまうことがあるでしょう。一番楽しいのは、「手に入れたい」と思って計画したり、待ちわびているときです。だから、たくさん憧れがあるのが、一番幸せなんです。
私のところまで上がってくるクレームは、担当者レベルで対応しても相手が納得せず、言うなればやり尽くして、どうにもならない段階のものです。それまでのプロセスで何か対応にまずい点があったからかもしれません。そのようなお気持ちにさせたことについてお詫びさせてください。と謝罪するようにしています。
これは祖父から受け継いだ考え方なのですが、物欲には「預けているんだ」という考え方で対処するのがいいと思います。どうしても欲しいクルマがあったら、ディーラーに預けてあると思えばいいのです。自分がお金を貯めて取りに行くまで、毎日ピカピカに磨いて保管しておいてくれていると。
きちんと対応することで「トラブルを解決できる」と思ってもらえれば、信頼感が生まれるきっかけになります。
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