西尾維新
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逆境には強いが、それだけの人間。そういう人間は実のところ、意外と多い。まあ社会を生きていく上では強いのだろうが、しかし成功者にはなれないタイプだ。
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小説を1本書いている間に、次の仕事の仕込みをしているんです。人間は、集中しすぎると疲れるし、ろくなものができない。さらに集中できるのは1日90分ぐらいなもの。でも人間は1日10時間は働かないといけないわけです。過度に集中せず、意識を散らす意味でも、次の話を考えるんですよ。
い、いい気になるなよ……人間!我が輩に勝ったくらいでいい気になってんじゃないぞお!わ、我輩は!我輩は「六人の魔法使い」の中では一番の下っ端!言うならば雑魚!我輩などに勝ったところで何の自慢にもならんわ!
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人は誰しも低能である権利がある。
いずれ失うものなら最初からいらない。終わるものなら始まらなくていい。苦痛を伴う快楽など不必要。悲しまなくていいなら幸せなんていらない。失敗しなくて済むなら成功しなくていい。リスクを孕んだ進化など不必要。
性欲なくして恋は生まれないんじゃないのかい?
アイデアのストックはなるべくもたないようにしています。アイデアは温めたら温めただけ古びていくし、本当に書きたいものはその場で書きたくなるはずですから。
ほんの一瞬であっても――悪魔に天使が宿ることもある。
執筆の一回一回が勝負で、常に「最後の一冊」と思って書いています。「刀語」も、1巻ごとに「最終巻」と思って書いていたんです。人生は何があるかわからないし、そのときに書き残したことがあったらイヤじゃないですか。常に自分の中を空っぽにしておきたいです。【※刀語=12カ月連続で毎月一冊シリーズ全12冊が刊行された。】。
殺して解して並べて揃えて晒してやんよ。
でも、無駄じゃなかった。
苦労をしたことは一度もない。ただ、努力はしたがね。
女子中学生に乙女なんかいない!
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世界は優秀に厳しい。世界は有能に厳しい。世界は綺麗に厳しい。世界は機敏に厳しい。世界は劣悪に優しい。世界は無能に優しい。世界は汚濁に優しい。世界は愚鈍に優しい。
人間が差別することが大好きだってことを知ってる人は他人なんて信用しないんだよ。日本人なんて特にそうだよね。
変わらないものなどないというのなら―運命にも変わってもらうとしよう。
夢は追うものではなく、背負うものだ。夢は思いで、当然重い。
馬鹿がゆえにシャープであり、愚劣がゆえにスマートで、卑怯がゆえにクレバーだ。
この指が治らなければ……、羽川の胸を揉めない!
人間は無意味に生まれて、無関係に生きて、無価値に死ぬ。世界には目標なんてなくて、人生に目的なんてない。
西尾維新のすべての名言