萩本欽一
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人生は当たり前のことばかりしていちゃつまらない。運の神様だって、変わったことをしていると面白がって運をくれたりするんです。
フリは静かに、真っ直ぐに。
もし周りに怖い人がいたら、逃げないで積極的に近づいていったほうがいいの。怖い人って、なにかそうなる事情を抱えているだけで、根はやさしいかもしれないですから。怖い人から逃げちゃいけない。人から怖がられてる人だって、丸ごと怖いわけじゃなく、やさしいところもあるんだ。怖い人がいたら思いきって懐に飛び込んでいったほうがいい。
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家庭のなかでも、温度のある言葉のやり取りをしてほしい。
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大人になって成功する人は、若者を惹きつけるいい言葉を持っています。これまでの人生、僕もいい言葉でずいぶん助けられたり勇気づけられたりしてきました。いい言葉って、人の心を動かすんです。
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人から好かれている人には、ちゃんと誰かが運を持ってきてくれる。僕の場合、人から好かれていたかどうかはわからないけど、坂上二郎さんが運を持ってきてくれました。二郎さんからの電話があの日あの時間でなければコント55号は生まれていなかった、というぐらい絶妙なタイミングで電話をかけてくれたんです。こういうでっかい運がくるのは、人生で一度か二度でしょうね。
ウソがバレるほど、でかいウソをつけ。
たいていの人は、子供時代は父親より母親と言葉を交わすことが多いから、母親の言葉ってすごく重要ですよね。母親がいい言葉をつむいでいくと、子供たちにもいい影響が出て運もついてくる。家族って運のリレーなの。
コントは、抽象的な思考や理詰めで考えるよりも、動きから入って行くのがいい。
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「運が悪いな」とか「なんでこんなにつらい目に合うんだろう」「不幸な人生だなあ」と感じている人は、こう考えていればいいの。あっ、今は「運」の芽が育っているときなんだなって。そう思うとつらい日々のなかにキラッと光が見えてくるでしょ。今がつらければつらいほど、遠くにある大きな夢を見て辛抱すると、きっといいことがあるから。
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無駄にこそ価値がある。人がやらないことに運がくる。
人生も勝負事も一人勝ちって無いもんなのよ。
職業柄、僕は番組のロケなどで「名人」とか「名工」と呼ばれる人に会います。包丁を作る職人さんに聞いてみると、「小さい頃から好きで仕事に就いた」という人はいなくて、仕方なく家業を継いだという。だけど、努力して超一流になり「うん、やって良かったよ」と笑いながら話してくれます。
コメディアンのアドリブというのは、如何に、演技を遠回りさせるかということ。
仕事をするときは勝負運の強い人と組むといいんです。コメディアンになってからの僕は、ずーっと勝負運の強い人を探して一緒に仕事をしていました。僕のつくった番組が当たったのは、そういう人たちの運をもらったからでもあるの。自分になくてももらえばいいんです。だから人間関係は大事にしなくちゃいけないの。
僕の経験から言えば、でっかい運はせいぜい5年しかもちません。ぶわ~っと盛り上がった運も、5年ぐらい経つとす~っと消えていく。運は、潮の満ち引きに似てるんです。波に逆らって仕事をしようしても無理なんです。引き潮のとき身体を張ってそれを止められる人なんていないでしょ?
毎日世話してるうち、だんだん花の気持ちがわかってくるんです。菊なんか水が欲しいと葉をたらして「お水ちょうだい」って言ってくるし、「暑くてたまんないよ~」とか「暑くてもぜんぜん平気、お水もいらないもん」て言ってる花もあるし。去年いっぱい咲いたのに今年は咲かなくて、「なにがご不満なんですか?」って聞いても、ちっとも返事してくれない花もあるんだよね。かわいいですよ、花って。動物みたいに動かないけど、3日見ないと変化してたりする。昔は「盆栽が趣味です」なんていう人に会うと、どこが楽しいのかなあなんて思ってたけど、今はちょっとわかりますね。歳をとると、ゆったりと育っていくあの植物のペースが自分のリズムに合ってくるの。
人生で一番面白いのは発明と発見だと僕は思っている。
世間の人から、「かわいそうな生い立ちね」と言われる人は、僕から言わせればすごくラッキー。こういう人は、自分の境遇を恨まず、ごく普通に生活を送っているだけで、必ず幸運がやってくる。その代わり、今目の前にある現実を嘆いたり、親を罵ったり、不平不満を言うたびに運はだんだんと消えていく。
ゴールデンゴールズに入ったからって、野球で成功しなくてもいいんです。いい言葉を使えるようになったり運のため方を覚えて、野球をやめたあとも素敵な人生を送れる人に育ってほしい。僕にとって、それも一つの目的だったんですよね。
萩本欽一のすべての名言