萩本欽一
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運は正面から来ない。必ず後ろから来る。
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大人になって成功する人は、若者を惹きつけるいい言葉を持っています。これまでの人生、僕もいい言葉でずいぶん助けられたり勇気づけられたりしてきました。いい言葉って、人の心を動かすんです。
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敵討ちって江戸時代なら美談として語られるかもしれませんが、現代でこれをやると悪い運がついてくるんです。いやな目に合ったときは、その相手を「敵」とか「やなやつだ」と思わず「恩人」と思えば運が開けます。人からいやな言葉をもらっても、人を恨まないで発奮材料にすればいいの。そうすると、成功したときにその人が恩人になっていますよ。
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たいていの人は、子供時代は父親より母親と言葉を交わすことが多いから、母親の言葉ってすごく重要ですよね。母親がいい言葉をつむいでいくと、子供たちにもいい影響が出て運もついてくる。家族って運のリレーなの。
「フリ屋」が心がけることは、できるだけ曖昧な言葉を使って、「コナシ屋」をうろつかせること。
子育てをするとき「いい子に育ってほしい」ってみんな思ってるでしょ?でもね、小さいときからずっといい子だと、けっこうつまらない大人になるんです。親が「いい子」を期待していることがわかると、子供はいい子を演じるようになります。叱られるようなことをしないのが「いい子」だと勘違いして、無難なことしかしない子になっちゃうの。
無駄にこそ価値がある。人がやらないことに運がくる。
僕の経験から言えば、でっかい運はせいぜい5年しかもちません。ぶわ~っと盛り上がった運も、5年ぐらい経つとす~っと消えていく。運は、潮の満ち引きに似てるんです。波に逆らって仕事をしようしても無理なんです。引き潮のとき身体を張ってそれを止められる人なんていないでしょ?
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僕がまわりから「才能がない」と言われながらもコメディアンになるのをあきらめなかったのは、自分に悪いと思ったから。一度は「絶対コメディアンになる」と決意したわけだからね。簡単にあきらめちゃったら、そう決断したときの自分に申し開きが立たないでしょ。
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人生は幸せと不幸せが50対50なんだよ。
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「得意なこと」と「やりたいこと」は一致しないんだよ。だから、まずは「得意なこと」を見つけなさい。それが成功すれば「やりたいこと」はできるようになってくるから。
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人生で一番面白いのは発明と発見だと僕は思っている。
「ダメな子」から出発すると、大人になるころにはずいぶん運がたまってます。「お前はダメだな」と言われるたびに自動的に運は貯金されていくし、周囲から期待されないと野放し状態でどんどん行動するから、実践でものごとを学べる。発想だって豊かになっちゃう。「ダメ」という出発点からスタートすると、少し努力しただけでぐんと伸びるんです。基準点が低く設定されてる分、ちょっと伸びただけでも誉められやすい。
「ツッコミ」は叱り上手に、「ボケ」は叱られ上手になることが大事。
ゴールデンゴールズに入ったからって、野球で成功しなくてもいいんです。いい言葉を使えるようになったり運のため方を覚えて、野球をやめたあとも素敵な人生を送れる人に育ってほしい。僕にとって、それも一つの目的だったんですよね。
「石の上にも3年」って言うけど、みんな何だかんだいって3年ぐらいは辛抱してると思うの。だから3年じゃ、しょせんは人と同じ程度のものしか身につかない。本気で何かを成し遂げようと思ったら、5年は辛抱しなきゃ。
悪いことがあったら落ち込んで泣いて受け入れろ。人生とはそういうもんだ。
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芸能界という世界にきてから、僕は「スター」と呼ばれる人たちとたくさん会ってきました。それで気がついたんですが、大スターほど「自分はダメな人間だ」って言うの。平気で打ち明けてくれる。普通の人は、自分の欠点を隠そうとするでしょ?それどころか自分の欠点に気がつかない人だっているよね。でもスターになる人は、ちゃんと自分の欠点を自覚して、それをなんとか克服しようと思って闘っているんです。あるいは欠点を活かす方法を考えてますね。
どんなちっちゃなことでも損から入るといいですよ。人のために自分の時間や知恵やお金を使うと「睡眠時間が減る」とか「頭が痛い」「心が痛い」「ふところが寒い」などなど、いろいろな不都合があると思うのね。でも、それぐらいは我慢しちゃうと、あとで運になります。損のまま終わる人生ってないんです。
心のこもった言葉を、たった一人の人に向かって言う。そこに思いやりや温かな空気が生まれる。
萩本欽一のすべての名言