萩本欽一
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現実を考えるとつらいだけのときは、無理矢理でも明るい未来を考えているのがいいの。いつかきっと不運から抜け出せるときはくるから。
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人を笑わすというのは、まず、人を愉快にさせる、いい気分にさせること。
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世間の人から、「かわいそうな生い立ちね」と言われる人は、僕から言わせればすごくラッキー。こういう人は、自分の境遇を恨まず、ごく普通に生活を送っているだけで、必ず幸運がやってくる。その代わり、今目の前にある現実を嘆いたり、親を罵ったり、不平不満を言うたびに運はだんだんと消えていく。
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毎日世話してるうち、だんだん花の気持ちがわかってくるんです。菊なんか水が欲しいと葉をたらして「お水ちょうだい」って言ってくるし、「暑くてたまんないよ~」とか「暑くてもぜんぜん平気、お水もいらないもん」て言ってる花もあるし。去年いっぱい咲いたのに今年は咲かなくて、「なにがご不満なんですか?」って聞いても、ちっとも返事してくれない花もあるんだよね。かわいいですよ、花って。動物みたいに動かないけど、3日見ないと変化してたりする。昔は「盆栽が趣味です」なんていう人に会うと、どこが楽しいのかなあなんて思ってたけど、今はちょっとわかりますね。歳をとると、ゆったりと育っていくあの植物のペースが自分のリズムに合ってくるの。
仕事をするときは勝負運の強い人と組むといいんです。コメディアンになってからの僕は、ずーっと勝負運の強い人を探して一緒に仕事をしていました。僕のつくった番組が当たったのは、そういう人たちの運をもらったからでもあるの。自分になくてももらえばいいんです。だから人間関係は大事にしなくちゃいけないの。
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もともと才能もあるうえとことん努力した人は、自分の限界を知ったら潔く認められる。こういう人の周りには、もちろんあふれるほどの運が漂ってくる。
コメディアンのアドリブというのは、如何に、演技を遠回りさせるかということ。
20代の現実は厳しい。夢が遠くに見えて、だから、段々とつらくなる。
職業柄、僕は番組のロケなどで「名人」とか「名工」と呼ばれる人に会います。包丁を作る職人さんに聞いてみると、「小さい頃から好きで仕事に就いた」という人はいなくて、仕方なく家業を継いだという。だけど、努力して超一流になり「うん、やって良かったよ」と笑いながら話してくれます。
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人生も勝負事も一人勝ちって無いもんなのよ。
「運が悪いな」とか「なんでこんなにつらい目に合うんだろう」「不幸な人生だなあ」と感じている人は、こう考えていればいいの。あっ、今は「運」の芽が育っているときなんだなって。そう思うとつらい日々のなかにキラッと光が見えてくるでしょ。今がつらければつらいほど、遠くにある大きな夢を見て辛抱すると、きっといいことがあるから。
コントは、抽象的な思考や理詰めで考えるよりも、動きから入って行くのがいい。
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動作や台詞の止めの部分が、流れないように、ビシッときめる。
頭のなかだけで考えるんじゃなく、実行しながら考えたり、人のひらめきを信じて支えていると、いつの間にか大きな運が目の前にくる。
人から好かれている人には、ちゃんと誰かが運を持ってきてくれる。僕の場合、人から好かれていたかどうかはわからないけど、坂上二郎さんが運を持ってきてくれました。二郎さんからの電話があの日あの時間でなければコント55号は生まれていなかった、というぐらい絶妙なタイミングで電話をかけてくれたんです。こういうでっかい運がくるのは、人生で一度か二度でしょうね。
ウソがバレるほど、でかいウソをつけ。
家庭のなかでも、温度のある言葉のやり取りをしてほしい。
人生は運動会でしょ。一番になる人は、一番辛い思いをした人なの。チャップリンさんの人生は、悲惨。僕のは、ただの苦労なの。その分だけ、追いつけないの。
フリは静かに、真っ直ぐに。
もし周りに怖い人がいたら、逃げないで積極的に近づいていったほうがいいの。怖い人って、なにかそうなる事情を抱えているだけで、根はやさしいかもしれないですから。怖い人から逃げちゃいけない。人から怖がられてる人だって、丸ごと怖いわけじゃなく、やさしいところもあるんだ。怖い人がいたら思いきって懐に飛び込んでいったほうがいい。
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