レオナルド・ダ・ヴィンチ
1
美しいものと醜いものはともにあると互いに引き立て合う。
3
画家は孤独でなければならない。なぜなら、一人なら完全に自分自身になることができるからだ。たった一人の道連れでもいれば、半分しか自分ではなくなる。
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必然性は自然の女主人であり導き手である。
君にはわかるだろうか。視覚こそがこの世界の美しさを包み込むのだ。視覚は天文学の師であり、人間のあらゆる技術を助け、導くものだ。視覚は人間を世界の隅々までおもむかせる。視覚は数学の様々な部門を支配する。視覚による知識は最も確実なものだ。それは星の距離や大きさを測り、星座の要素や性質や運行を発見し、そこから次に起こることを予言できるようになる。視覚は、建築と図面を生み、そして最後に絵画という聖なる芸術を創始した。おお視覚よ、汝は神の最も優れた創造物だ。汝の崇高さにふさわしい、どんな賛美の歌があろうか。どのような人々が、どんな言葉が、汝の達成したことを言い表せることか。
芸術に決して完成ということはない。途中で見切りをつけたものがあるだけだ。
一日で金持ちになりたいと思うものは一年で首を吊られる。
同じ眼でながめた対象が、あるときは大きく、あるときは小さく見える。
●そんな小さな空間に、全宇宙の姿を抱えることができるなど誰が信じるだろう。
五感は魂に仕える従僕だ。
太陽は動かない。
このところずっと、私は生き方を学んでいるつもりだったが、最初からずっと、死に方を学んでいたのだ。
2
老いてからの欠乏を補うのに十分なものを青年時代に獲得しておけ。老年が食物として必要なのは「知恵」である。そのことを知る者は栄養不足にならぬよう、若いうちに努力せよ。
●経験は決して間違えない。間違えるのは人間の判断だ。自分で実験してもいない結果を予測して、判断を間違えるのだ。
知ることが少なければ愛することも少ない。
師匠を凌がない弟子は、やくざ者だ。
ほめれば間違いだし、そしればなお悪い。君がそのことをよく理解していないときには。
誰も他人のやり方を真似すべきではない。なぜなら、真似をすれば自然の子供ではなく、自然の孫でしかない。我々には自然の形態がたくさん与えられているのだから、直接自然に触れることが大事だ。
脅迫とはひとえに脅えた者の武器にすぎない。
多くの者が、虚偽の奇跡を教えて、妄想を煽って、蒙昧な大衆を欺いた。
ここに集められたものは順不同に並んでいる。様々な論文からとったもので、あとで主題別に整理したいと思っている。それまでは、同じことを何度も繰り返すこともあるに違いない。読者よ、どうかそのことで私を責めないでいただきたい。【物理学に関する手記の序文】。
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