ヘルマン・ヘッセ
1
もう考えることも、泣くことも、笑うこともできない。ただ眠りたい。百年も千年も眠りたい。
運命は、どこかよそからやってくるものではなく、自分の心の中で成長するものである。
夜よ、ようこそ!星よ、ようこそ!私は眠りにこがれる。私はもう起きていられない。
0
過ちも失敗も多かった。だが、後悔する余地はない。
詩は音楽にならなかった言葉であり、音楽は言葉にならなかった詩である。
大部分の人たちが行く道は楽だが、僕たちの道は苦しい。――でも、行こうじゃないか。
2
真実は体験するもので、教わるものではない。
他の人たちは目的、目標を持っている。私は生きているだけで、もう満足だ。
我々は人間についてあまりにも知らない。絶望的に知らなすぎる。学校では何百というばかばかしい戦闘の年号やこっけいな国王たちの名前を覚え、新聞では税金やらバルカン半島やらについての論説を毎日読んでいながら、人間のことは、何も知らない。
地上にはたくさんの道が用意されている。けれど、それの道は自分の力で歩んでいかなければならない。
人間は自分をあまりに重要視しすぎるのです。我々人間は、鳥やアリの生より決して困難なものではなく、むしろもっと楽で素敵なものです。
魂にとっては、「無常」も「永遠」も等しく貴くもあり、詰らなくもある。
僕たちは喋りすぎる。賢そうな議論をいくらしたって何の値打ちもない。まったく無価値だ。自分自身から離れるばかりだ。自分自身から離れるのは、罪だ。僕たちは、亀のように自分自身の中にすっぽりもぐりこむことができなくてはならない。
4
もしあなたが人を憎むなら、あなたは、あなた自身の一部でもある彼の中の何かを憎んでいるのだ。我々自身の一部でないようなものは、我々の心をかき乱さない。
3
恋もまた死ぬということを、しみじみと知った日から。
先生やパパやどこやらの神様に気に入られるだろうかなどいうことは、問題にしないことだ。そういうことを気にしたら、我が身の破滅を招くだけのことである。
昇進は自由への一歩ではなく、束縛への一歩である。職権の力が大きくなればなるほど、奉仕はいよいよ厳しくなる。
「失礼ですが、その恋はあなたがたを幸福にしてくれているのでしょうか?みじめにしているのでしょうか?それともその両方でしょうか?」あら、恋は私たちを幸福にするためにあるのではありませんわ。恋というものは、私たちが苦悩と忍耐の中でどれほど強くありうるか、ということを自分に教えてくれるためにあるものではないでしょうか。
神が我々に絶望を送るのは、我々を殺すためではなく、我々の中に新しい生命を呼び覚ますためである。
戦争ならアリでもする。国家ならミツバチでも持っている。財産ならネズミでも集める。君の魂が求めるのは、別の道だ。そして、君の魂が損なわれるとき、君が魂を犠牲にして成功を得るとき、君にはいかなる幸福も花咲かない。というのは「幸福」を感じることができるのは、胃袋でもなく、頭脳でもなく、財布でもなく、魂だけであるからだ。
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