ヘルマン・ヘッセ
1
おまえの尋ねた光はおまえ自身の中に宿っているのだから。
たえず続く夢というものはありません。どんな夢でも新しい夢に代わられます。どんな夢でも固執しようとしてはなりません。
0
理解されないなんて、いつまで繰り返していても同じことですよ。だれそれが自分をあまりよく理解してくれないだの、あまり正当に評価してくれないだの、いつもそんな事ばかり考えていてはいけません!あなたの方からまず相手の人たちを理解し、喜ばせ、正当に評価するように試みなくてはなりません!――いいですか、自分にこう言って聞かせるんです。どっちみち人生は自分には楽しくないんだ、だとすれば、どうしてこのやりかたでやってみてはいけないのか、ってね。あなたは自分の人生に対する愛着をなくしてしまった。それなら自分の人生なんか後生大事にしておかないで、すすんで重荷を背負いこみ、ちっぽけな安楽などあきらめておしまいなさい。
信仰と懐疑とは互いに相応ずる。それは互いに補い合う。懐疑のないところに真の信仰はない。
おまえ自身の中に、おまえの必要とする一切がある、太陽も、星も、月も。
心の中にある絵をしばらくの間逆さまに懸けてみるのはいいことだ。
3
日の輝きと暴風雨とは、同じ空の違った表情にすぎない。運命は、甘いものにせよ、にがいものにせよ、好ましい糧として役立てよう。
そなたは太陽、私は雪、そなたは昼、私は夢。
この世界は私をあんなにも度々欺いたが、私はやっぱり世界をいつもいつも愛している。
不安に打ち勝った者は、もはやこの世に生きるのではなく、神の中に、永遠の中に生きているのだ。
学問とは相違を発見することに没頭することにほかならない。学問とは識別の術である。
戦争ならアリでもする。国家ならミツバチでも持っている。財産ならネズミでも集める。君の魂が求めるのは、別の道だ。そして、君の魂が損なわれるとき、君が魂を犠牲にして成功を得るとき、君にはいかなる幸福も花咲かない。というのは「幸福」を感じることができるのは、胃袋でもなく、頭脳でもなく、財布でもなく、魂だけであるからだ。
おいで、いとしいものよ、私はここにいる。私を抱いておくれ、私はおまえのものだ。
だから、どんな辛いことでも、一人でするということに勝る。
愛は、哀願して得ることも、金で買うことも、贈り物としてもらうことも、路上で拾うこともできます。けれど、奪い取ることだけはできないのです。
2
幸福とか、行いとかが、いつかしらあったのかと疑う。
先生やパパやどこやらの神様に気に入られるだろうかなどいうことは、問題にしないことだ。そういうことを気にしたら、我が身の破滅を招くだけのことである。
おまえの愛人の名をとなえて、憎しみと不正とを静かに告白せよ。
殺すのは何も現在あるものばかりとは限らず、未来のものを殺すこともありうる。
もう一度、優美の魔力に、青春のやさしい魅力にあいさつする。
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