ヘルマン・ヘッセ
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戦争ならアリでもする。国家ならミツバチでも持っている。財産ならネズミでも集める。君の魂が求めるのは、別の道だ。そして、君の魂が損なわれるとき、君が魂を犠牲にして成功を得るとき、君にはいかなる幸福も花咲かない。というのは「幸福」を感じることができるのは、胃袋でもなく、頭脳でもなく、財布でもなく、魂だけであるからだ。
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あなたの苦しみを愛しなさい。それに抵抗しないこと、それから逃げないこと。苦しいのは、あなたが逃げているからです。それだけです。
私の恋物語は今日こよいと、あなたとです。
恋もまた死ぬということを、しみじみと知った日から。
先生やパパやどこやらの神様に気に入られるだろうかなどいうことは、問題にしないことだ。そういうことを気にしたら、我が身の破滅を招くだけのことである。
勇気と品性のある人々はそのほかの人々にとってつねに薄気味悪く思われる。
ただ一つの本当の事を行い、高い義務に従う。
僕たちは喋りすぎる。賢そうな議論をいくらしたって何の値打ちもない。まったく無価値だ。自分自身から離れるばかりだ。自分自身から離れるのは、罪だ。僕たちは、亀のように自分自身の中にすっぽりもぐりこむことができなくてはならない。
4
魂にとっては、「無常」も「永遠」も等しく貴くもあり、詰らなくもある。
忘れてはいけない。偉大な人間になって、なにか立派なことを創造しようと思ったら、多くのことを断念することができなくてはならないということを。
2
我々は人間についてあまりにも知らない。絶望的に知らなすぎる。学校では何百というばかばかしい戦闘の年号やこっけいな国王たちの名前を覚え、新聞では税金やらバルカン半島やらについての論説を毎日読んでいながら、人間のことは、何も知らない。
おまえの尋ねた光はおまえ自身の中に宿っているのだから。
他の人たちは目的、目標を持っている。私は生きているだけで、もう満足だ。
たえず続く夢というものはありません。どんな夢でも新しい夢に代わられます。どんな夢でも固執しようとしてはなりません。
日の輝きと暴風雨とは、同じ空の違った表情にすぎない。運命は、甘いものにせよ、にがいものにせよ、好ましい糧として役立てよう。
心の中にある絵をしばらくの間逆さまに懸けてみるのはいいことだ。
3
おまえ自身の中に、おまえの必要とする一切がある、太陽も、星も、月も。
夜よ、ようこそ!星よ、ようこそ!私は眠りにこがれる。私はもう起きていられない。
大部分の人たちが行く道は楽だが、僕たちの道は苦しい。――でも、行こうじゃないか。
この世界は私をあんなにも度々欺いたが、私はやっぱり世界をいつもいつも愛している。
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