遠藤周作
1
生きることは、時には破滅を伴う。
人間にはどうしても動かせない運命というものがある。その運命の支配する限り、どんなに努力しても仕方がない。
2
人間、好奇心がなくなったらおしまいだ。
0
人間には、どんなに努力しても成ることと成らぬことがある。
3
人間にとって一番辛いものは貧しさや病気ではなく、それら貧しさや病気が生む孤独と絶望のほうだ。
生きることには考えこんで、いいことと考えこまぬ方が、いいこととがあるぜ。見つめていいことと、見つめてはいけぬこととがあるぜ。考えこまぬ方がいいことや見つめても何にもならぬことは‥‥捨てた方がいい。それが生きる知恵だ。
人間の醜悪な欲望は尽きることがない。
小説家とは、絶えず自分を揺さぶりつつ書いていくものである。
人間には神の定めた運命があって、その運命にいくら抗っても無意味だということもわかった。
純粋に生きるためには、よほど強くなくちゃ駄目だと思うの。時には周りの人を傷つけても、それに耐えられる神経の持ち主でなくては駄目だと思うの。
野望を達成するためには男は手をよごさねばらならぬ、時にはおのれのどうにもならぬ優しさを殺さねばならぬ。
私が茶道で一番心を惹かれたのは「沈黙の声」を聴くということだ。
人の邪魔にならぬように生きるなんて、とってもむつかしいぜ。
神は人それぞれに十字架を背負わせたもうのだ。
家の灯の一つ一つに、それぞれ違った人生がある。
人間の野心はあさましい。野心は人間をあさましくする。
信仰は競馬によく似ていると思うことがあります。ビギナーはよく穴を当てます。ところが馬のことを勉強し始めたら、当たらなくなります。
心をつくし神を信心すること肝要にござ候。この世にては、よろず変転きわまりなく、止まるものはひとつもなきものと存じ候ゆえ。
人間がもし孤独を楽しむ演技をしなければ、率直におのれの内面と向き合うならば、その心は必ず、ある存在を求めているのだ。愛に絶望した人間は愛を裏切らぬ存在を求め、自分の悲しみを理解してくれることに望みを失った者は、真の理解者を心のどこかで探しているのだ。
自分の一番愛しているもの、自分が一番うつくしいものを汚すことに悦びを感ずるものはいない。悦びがあったとしてもそれは倒錯的な悦びである。
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