遠藤周作の名言
小説家
遠藤周作の名言。全86個。
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どうせ人生の本質はつらく人間は孤独なぐらい百も承知している。だからそれだけ余計に明るく楽しく振舞おうという決心を、私はこの十年間に持ち続け更にその気持ちを強くしている。
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人生には幾十回、出会っても自分の心に何の痕跡も残さぬ人がいる。しかしたった一度の触れ合いでも生涯、その人のことが忘れられぬような相手もいる。
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人間生活にはムダなものがかなりあるが、そのムダなもののために情緒が生まれ、うるおいができ、人の心がなごむようなものがある。
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もともと怠け者の身には学問なども身につかない、人を押しのけてまで上に出ようという気力もない、毎日、毎日が平穏、無事で暮らせればそういう人生が自分にふさわしい。
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魅力あるもの、キレイな花に心を惹かれるのは、誰でもできる。だけど、色あせたものを捨てないのは努力がいる。色のあせるとき、本当の愛情が生まれる。
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踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。踏むがいい。私はお前たちに踏まれるため、この世に生れ、お前たちの痛さを分つため十字架を背負ったのだ。
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一人の人間にはその運命と人生とを決するようなときが生涯、一度は必ずあるものであり、それを乗り切った瞬間、彼の未来は全面的に変わるものだ。
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戦後の日本人はいつの間にか、働くことと利を得ることを一緒にして利を得るためにだけ働くようになった。利がすべての目的に変わった。利のためにほかのものを多少は犠牲にしていいという風潮が社会を支配した。
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今の若い世代にもっとも欠けているのは「屈辱感に耐える」訓練である。この訓練が行われないで、そのまま社会から大人あつかいにされると、おのれのすること、なすことはすべて正しいと思うようになる。
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自分が弱虫であり、その弱さは芯の芯まで自分に付きまとっているのだ、という事実を認めることから、他人を見、社会を見、文学を読み、人生を考えることができる。
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黄昏の砂漠は歩きづらいが、振り返ると波打ちぎわに自分の足跡が、自分だけの足跡が、一つ一つ残っている。アスファルトの道は歩きやすいが、そこに足跡など残りはしない。
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情熱を持続するには危険が必要なんだ。ちょうど恋愛の情熱がさめるのは安定した時であるのと同じように、人生の情熱が色あせるのも危険が失せた時だよ。革命はまだ危険という油を俺たちの情熱にそそいでくれる。
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生活と人生はちがいます。生活でものを言うのは社会に同調するためのマスクです。また社会的な道徳です。しかし人生ではこのマスクで抑えつけたものが中心となるのです。
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ある生死を決める法律規則が定まっているならば、人は、自分の運命をその法律、規則に順応させて救うことができる。しかし、偶然だけには、どうにも、立ち向かうことはできぬ。
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あたしたちもこの人生では、人生の意味という犯人を見つける探偵みたいなもんじゃないかしら。最後の章をめくるまでわかりっこないんだわ。
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純粋に生きるためには、よほど強くなくちゃ駄目だと思うの。時には周りの人を傷つけても、それに耐えられる神経の持ち主でなくては駄目だと思うの。
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一人の人間の人生には決定的な転換が与えられる時期と、瞬間がある。それはある者には緩慢に訪れるが、別の者には突如としてやってくるのだ。
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人生におけるすべての人間関係と同じように、我々は自分が選んだ者によって苦しまされたり、相手との対立で自分を少しずつ発見していくものだ。
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手を握られた者は自分の苦しみや痛みがこのつなぎ合わされた手を通して、相手に伝わっていくのを感じる。だれかが、自分の苦しみや痛みをわかち持とうとするのを感じる。
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火山というものは人間の人生と同じだよ。若い頃は情熱にまかせて火を吹く。溶岩を吐き出す。だが年が老いると昔の暗い罪を背負いながらこんなに静まり返るんだからな。
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人生の意味が初めからわかっていては、我々は生き甲斐もない。人生の意味がなかなかわからぬから、我々は生きる甲斐もあるのだ。
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薬は学問の神聖のためにあるんじゃない。病人たちの苦しみを救い、病人たちの苦しみに少しでも希望を与えるために存在するんです。
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心をつくし神を信心すること肝要にござ候。この世にては、よろず変転きわまりなく、止まるものはひとつもなきものと存じ候ゆえ。
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愛の第1原則は「捨てぬこと」です。人生が愉快で楽しいなら、人生には愛はいりません。人生が辛く、みにくいからこそ、人生を捨てずにこれを生きようとするのが人生への愛です。だから自殺は愛の欠如だと言えます。
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私は、死というのは、この世界から新しい生命に入る通過儀礼だというふうに思っています。通過儀礼ですから、それは試練であり、そして恐怖があり、苦しみが伴うのだと思います。
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信仰は競馬によく似ていると思うことがあります。ビギナーはよく穴を当てます。ところが馬のことを勉強し始めたら、当たらなくなります。
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自分の一番愛しているもの、自分が一番うつくしいものを汚すことに悦びを感ずるものはいない。悦びがあったとしてもそれは倒錯的な悦びである。
遠藤周作と名言が類似する人物
遠藤周作について
遠藤周作は昭和中期〜平成にかけて活躍した小説家。「白い人」「海と毒薬」、「沈黙」、「深い河」などで知られる。カトリックのクリスチャンで作品の中にもキリスト教を題材としたものがある。「白い人」で芥川賞、「海と毒薬」で新潮社文学賞と毎日出版文化賞、「沈黙」で谷崎潤一郎賞を受賞。1995年文化勲章受章。