羽生善治
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三流は人の話を聞かない。二流は人の話を聞く。一流は人の話を聞いて実行する。超一流は人の話を聞いて工夫する。
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着手を考える際も、40代半ばの今は、20代、30代の頃とは変わってきました。最初に局面全体の方向性を大ざっぱに、感覚的にとらえて、そこから細かいところをロジックで詰めていくというプロセス自体は以前とあまり変わりませんが、局面全体をとらえるところに力を傾ける比率が、以前に比べて上がっています。
自分の考えを時折言語化してみる。
ツキや運、つまり流れやバイオリズムは、たくさんの要素が絡み合って変化していくもの。これは天気のようなものなので、晴れの日もあれば曇りの日もある。一喜一憂しても仕方がない。
才能とは、努力を継続できる力。
将棋に限らず何事も幅広く、そして世間のペースでなく、自分のペースでものを考えたい。
相手のことを知るよりも、自分自身が強くなればそれで済む世界だし、それを目指したほうが本筋というか、王道という気がしたんです。
一番いいと思えるものを簡単に、単純に考えることができれば、逆境からの突破口を見出せる。
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棋士は、最後は自分の責任で指し手を決めます。それなのに「こうだ」と教えてしまうのは、親切なようであっても、じつは親切ではありません。「もがく時間」はすごく大事です。わからない、迷っている、悩んでいる。そのような時間は、後々の財産になります。
選んだ以上は後悔しない。あとは振り返らない。
直感力とは物事の進むべき道筋を示す「羅針盤」のようなもの。
楽観はしない。ましてや悲観もしない。ひたすら平常心で。
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ビジネスや会社経営でも同じでしょうが、一回でも実践してみると、頭の中だけで考えていたことの何倍もの「学び」がある。
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平常心をどれだけ維持できるかで、勝負は決まる。
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勝負の世界では、ベストだと思う手法が通じるかどうかは、常に皆目わからないものなんです。ただ、この場面でこのやり方は通じないとか、この手はあまりよくないだろう、という当たりはつきます。経験知が活きるのは、そういう場面での対処ではないでしょうか。つまり「こうすればうまくいく」というより「これをやったらうまくいかない」ということを、いかにたくさん知っているかが大切であるような気がします。
夜の闇が暗ければ暗いほど朝も明るくなる。
人は追い込まれないと深く考えないし、そういうプレッシャーの中でしか真の実力は養えません。曖昧で答えのわからない状態というのは誰にとってもつらいものですが、私はそういう局面こそ強くなるチャンスだと常に考えるようにしています。
先のことを考えるのは、楽しいといえば楽しいものです。でも、だいたいは、考えてもそのとおりにならない。いろんな人がいろんなことを予想していますが、まずそのとおりにはなりませんよね。あまり予想なんかしても仕方がないとさえ思います。
教える行為に対して、教えられる側の依存度が高くなってしまうと問題である。
将棋の世界でも、実戦を重ねれば、「過去に類似したケースがあったな」「ここから抜け出す方法はまだたくさんあるな」といった具合に、経験が生きてくる場面はあります。ただ、「経験したこと」が、その後の出来事に直接、役立つわけではありません。自分なりに過去の経験を咀嚼して、きちんと消化し、違ったものに変換させて、未来に活かすのです。
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