羽生善治
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山ほどある情報から、自分に必要な情報を得るには、「選ぶ」より「いかに捨てるか」の方が、重要なことだと思います。
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私は、対局が終わったら、その日のうちに勝因、敗因の結論を出す。
将棋の世界での流行の最先端をつくっているのは、20歳前後のプロになっているかいないかくらいの人たちのアイデアから生まれていることが非常に多い。だから若い世代に対しては、育成というよりむしろ学ぶことがあります。
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将棋とは「粘土」のようなものーどんなものにも形を変えられる。
「真似」から「理解」へのステップは想像力を培う基礎力になる。
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人間の埋もれている力を見いだせた人や発掘できた人たちを「天才」と呼ぶのではないでしょうか。
20代には20代にしかできない将棋がある。
直感は天性のものなのか、環境で育まれるものなのか、私にはよくわかりません。ただ、後から努力の積み重ねで磨かれるものではあると思います。
まあ、そんなに大げさなものはないんですけど。わかる範囲でわかったらいいな、とは思っています。
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変化が激しい時代だから経験はムダなのかというと、そうではないと思います。新しい局面に対処しなくてはならないとき、「過去にこういうやり方で遠回りしてしまった」「こういう方法でブレイクスルーできたことがある」といった経験にもとづく方法論が役に立つからです。あるいは、何をやったらいいのかわからないときに、過去の成功や失敗の経験が進むべき方向の指針になることもあるでしょう。
将棋にかぎらず大局観というのは、正しい判断をするうえで大変重要だと私は思います。木を見て森を見ずではありませんが、仕事で難しい決断を迫られたら、そのことだけを考えるのではなく、一歩引いて、いまという時代の流れの中でその課題を考えてみると、案外答えが見つかりやすくなるのではないでしょうか。
未知の局面に出くわした時、どれだけ素早くその局面に対応できる力を持つか。
イメージが浮かぶのは、序盤と終盤である。浮かんでしまえば、あとは中盤でその間のつじつまを合わせればいい。
欠点を裏返すと、それがその人の一番の長所であったりする。
感性を研ぎすます秘訣は、ほかのジャンルの人と積極的に話し、聞くこと。
難しい問題に対して、わからないと思いながら考え続けた根気。ずっと我慢して費やした時間。そうしたことがプロとして育っていくことを助けたのではないか。
人生は食事をして眠るだけのくり返しではない。「こういうことができた」「こういうことを考えた」という部分がある。
波はつくれないが、乗ることはできる。
どれだけ楽しいかが集中力の持続へとつながります。
巡り合わせのようなものもありますし、負けは結果ですから。チャンスがあればまた頑張ります。
羽生善治のすべての名言