出口治明
0
実はライフネット生命を設立する8年前頃にも、ネットで生命保険を販売するアイデアをかたちにしようと動いていたのですが、その時は時期尚早と判断し、断念しました。風がなければ、凧は揚げられませんからね。
1
事業は遊びではない。ビジネスです。どんなビジネスでも、徹底して事前調査をするのは当たり前のこと。
仕事ができる人の机の上は、だいたいきれいです。「机の上の状態を見れば、その人の脳みその中身がわかる」と言う人もいるほどです。
我々は過去の体験しか未来に生かすことができないのです。過去に学んでいたからこそ、すぐに行動することができるのです。
どんな仕事でも、仕事の相手は生身の人間です。だから、人間の喜びや悲しみについて知ることは、誰にとっても必須。文学は、その意味で、何よりの教材になります。読む本は古典でもいいですし、芥川賞などの賞をもらった現代文学でも構いません。
会社のこともすべてオープンにしたほうがいい。その覚悟で仕事をすれば、それがコンプライアンスだ。
歴史に問題解決のひとつのヒントを求めるのは、有効な手段です。古今東西の歴史を調べると、先が見えない状態で正しい意思決定を行ったり、未曾有の危機に直面しながらそれを乗り越えたりといった例が、いくつも見つかります。そういう先人の足跡を学び、参考にするというのは、きわめて合理的だといえます。
リーダーに強い思いがあり、チームが共感でつながれば、あとはビジネスという旅に出るだけ。しかし、いざ旅に出ると、雨や嵐に遭遇することもあるでしょう。すると、メンバーがやる気をなくしたり、動揺したりします。そうなった時は、しっかりコミュニケーションを取り、落伍者を出さないように配盧・行動すればいい。
英語力は前提です。世界の共通語は英語ですから、これはもう当たり前です。ただ、言葉は手段に過ぎません。大事なのは話す中身、コンテンツです。
3
思ったことがすべて実現するわけではないけれども、思わないことは実現しないですね。
いくら肉が好きでも、肉だけを食べていたら健康を損ねてしまうのと同じで、自分の興味や関心の範囲だけで仕事をするとインプットの幅が非常に狭くなります。とくに若いうちは、やりたくないこと、役に立ちそうにないことにも取り組んで、脳のいろいろな部分をまんべんなく刺激すべきです。
何が起こるか分からない世の中では、運と適応力のある者こそが勝つことになる。
私は、常に一期一会を大切にし、自分の直観を信じて即断即決。これが信条です。
人生には波がある。天気と一緒で、晴れの日もあれば雨の日もある。その方が自然ですよね。鷹揚に構えていればいい。
努力をすれば必ずその分報われるといった幻想を持ちすぎてはいけません。厳しい言葉かもしれませんが、それが事実であることは歴史が証明しています。いつの時代も人間の努力の99%は徒労に終わってきました。しかし、努力をやめなければ、人生には1%の可能性は常に用意されているのです。
歴史、経済・金融、この知識なくして、社会状況を正しく把握することはできません。例えば、金融緩和をさらに進めた方がいいのかどうかすら、判断できないはずです。そんな人が、仕事上の判断を正しく行えるわけがありません。
私は特別な人間ではないし、優秀でもありません。
ライフネット生命の場合、保険料を半額にして、安心して赤ちゃんを育ててもらいたいというのが、ひとつの大きなミッション。そのミッションを軸に、人を集め組織を構築し、推進していくための「旗」となるのが当社のコアバリューであるマニフェストです。
2
人間のモチベーションはいとも簡単に失われます。雨が降り出したら「もう歩きたくない」と弱ってしまう人間は必ず出てきます。そんな人を目ざとく見つけて「この雨はもうすぐ止むから大丈夫だよ」と声をかけるのがリーダー。
僕は、世の中の人はほとんどみんな変な人だと思っています。人間はみんな顔が違うし、能力も異なるので、みんな異能人であり変人なのです。
出口治明のすべての名言