出口治明
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世の中の常識のほとんどが非常識。
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ビジネスは、「数字」「ファクト」「ロジック」がずべてだと考えています。会社というのは合理的な経営体で、長期の経営計画や決まった年間の予算がある。こうした取り決めに対して、どうやった方が効果的かということでしか意見の対立は生じないわけです。「数字」と「ファクト」を出し合って、どちらの「ロジック」が正しいかを考えれば、結論なんてすぐ出ます。
1日は24時間と決まっているのですから、仕事も家事も完璧にやろうと思っても、それは無理に決まっています。それなのに、日本では妻が働いていようが、育児や家事は妻がやるべきだと思っている男性が少なくありません。でも、そんなことは不可能だということは、ちょっと考えればすぐにわかりそうなものです。
人生には、成功の法則などない。先人の生き方をケーススタディにして、生き抜く知恵を学ぶしかない。偉人たちは天才です。天才は文字通り天賦の才能ですから、なかなか一般の人が同じような偉業を成し遂げることはできないでしょう。しかし、生き方を模倣することはできるはず。
いくら強い志があっても一人では何もできませんから、なぜそう考えるのか、どうすれば理想を実現できるのかを、人に説明して共感を得る能力が必要です。
自分の好きな方法で学べばいい。やりたい事ないなら、せっかく入った学部の勉強をやればいい。
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我々は自分たちが持っているカードをきちんと洗い出すべきだ。
物事を理解してもらうには、絵を描くのが一番早い。できるだけわかりやすく図解する。たとえば、自分の子供に説明するとき、「こういうことだよ」と絵を描いて説明するでしょう。
職場は何よりも仕事をするところ。「今日も一日元気に頑張ろう」とベストコンディションで毎日出勤する。これが社会人の最低限の心構え。
人生が楽しいかどうかの判断基準は、喜怒哀楽の総量にある。
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遠い先にゴールを定め、そこに最短距離で辿りつきたいと思っても、たいていの場合うまくいきません。道の途中にはたくさんの選択肢が用意されていて、どちらを選ぶかによって、進む方向がどんどん変わっていくからです。昨日の自分だったらイエスを選んでいただろうに今日は何となく「ノー」と言ってしまった。たったそれだけのことで、辿り着くゴールはまったく違ったものになります。だから、もともと銀行員になりたかったはずが、気がついたら八百屋の店先で大根を売っていた、というようなことが人生ではしばしば起こるのです。また、よかれと思ってやったことがとんでもない不幸を招いたり、最悪の選択が思いもよらぬ幸運に結びついたりすることが、頻繁に起こるのも、人生がゴールの見えないイエス・ノーゲームだからです。そう思っていれば最初の想定と違う方向にいっても、とまどうことなくそのときどきで、最良の意思決定ができるようになります。
準備していれば、本当の夢を実現するチャンスが巡ってくる。
パワハラなどで部下に嫌われるのは論外ですが、人には好き嫌いがあるので、多少部下に嫌われるのは仕方がない。
「やる」と決めたら集中できる。やるしかないという選択肢を選べば、うだうだ考えるのは時間の無駄だということが腹落ちするはず。
どんなプロジェクトでも、山あり谷ありは避けられません。「谷」の時期には、メンバーは元気を失います。そのときに、みんなを安心させて最後まで引っ張っていく力が必要になります。一般には統率力といわれるものですが、その実態を考えれば、コミュニケーション能力ということでしょうね。一人一人と丁寧にコミュニケーションを取って、盛り立てていく能力です。
私たち年輩の人間は、若い人をもっと助けていかないといけません。日本の将来は若い人が引っ張っていくしかないんですから。
成功体験を捨てて足元を見ると、わが国にはこれまで気付かなかった強みがたくさんある。
どんな会社でもステージによって見る数字が違います。ライフネット生命はまだ伸び盛りですから、新契約価値しか見ていない。でも、私が日本生命の社長だったら新契約価値は見ないでしょう。業界内で自社のポジションを把握し、どういうステージにあるかを認識したうえで、経営にとって何が大事かを考えることが重要です。
子供の頃、ほとんどの人は「偉人伝」を読んだことがあるでしょう。そのときは、昔の英雄たちの活躍に、胸を躍らせたり、感動したり、憧れたりしただけだったかもしれません。ビジネスパーソンの皆さんには、そうした伝記をぜひ、もう一度読み返してもらいたい。なぜなら、偉人伝こそ、最高の人生の教科書だからです。
古典を読んでわからなかったら、自分をアホと思え。新作を読んでわからなかったら、著者をアホと思え。
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