出口治明
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定年制がないだけでなく、当社には年功序列の考え方もありません。若手がリーダーを務め、年長者を部下として抱えていることもあります。良い商品・サービスを提供するために、年齢など関係ありません。若手を無理に抜擢することもなければ、高齢者だからといって厚遇することもしません。個人の実力に応じて、適所適材で活用するだけのことです。
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日本の老人経営者は、すぐに志とか信念を持ち出しますが、よく考えれば何を言っているのかわからない話が多い。そんなのデータがないじゃないかと言われたら、すぐに揺らぎますよ。事実やデータに基づいていない理念は共感を呼びません。
難しい本と真っ向から真剣勝負しない限り、何も身にはつきません。負荷を掛けなければ、筋肉がつかないのと同じこと。
本のなかで語られている主義主張や政策といったものは、必ず根拠をもっています。そして、その根拠は数字にすることができるはずです。数字で表わした根拠をベースに判断する習慣をつければ、本を読んでその主張を鵜呑みにするということはなくなります。
自分の中身を磨くには「人、本、旅」。普段からたくさんの人に会い、たくさんの本を読み、いろいろな場所へ足を運ぶことが、あなたの魅力をアップさせる。
やる気が見えないというのは、与えられた仕事とやりたい仕事にミスマッチが起きていることが多い。面白いと思える仕事を与えれば、部下は頑張るはず。部下のやる気を引き出すのが上司の仕事。
「森の姿」をとらえよ、ということです。森の姿をしっかりとらえなければ、木を育てることはできない。森の姿を見るというのは、いまの自分、いまの会社、いまの日本がどんな位置にあるのか、いままでよりも一歩引いた視点で俯瞰してみる、ということです。
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つまらない仕事なんてない。自分にその意味と目的が腑に落ちて仕事をすれば、絶対に楽しい。
もともと社会は理不尽なもの、子供には早くから全てを見せた方がいい。
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私は自分の部下には「小さなことでもすぐにどうするかを決めて、早く行動を起こせ」と日頃から言っています。判断に迷った場合は「仮決め」でいいから、とにかく一旦結論を出す。決めてしまうことが重要なのです。後になって間違っていたことがわかれば、そこで修正を施せばいいのです。いちばんまずいのは、課題に対して、優柔不断な態度をとることです。宙ぶらりんの時間は何も生み出しません。仮にでも結論を決めてしまえば、それがよかったのか悪かったのかを、嫌でも考えるようになるので思考が深まります。また、一つの行動を起こせばそれに対して反応が起きる。そうしたらまたそこでベストだと思う行動をとる。それを繰り返すことで状況はよい方向に働いていくのです。
少子高齢化が進んでいる日本では、今後、労働力が不足するのは周知の事実です。こういう状況で、定年制があること自体おかしいのではないでしょうか。時代が変化しているのに定年制を維持している。この点だけに限りませんが、日本企業の多くは従来のやり方を後生大事にして何も変えない。その結果、競争力が低下して株価も低迷しているのだと思います。
21世紀の私たちは、いわば「海図のない航海」に出ているのです。絶対的なモデルがないから、どうしたらいいかは自分の頭で考えるしかない。
会社の経営には「タテ・ヨコ思考」が一番大事だと思います。タテ思考とは、10年前に比べて成長率はどうなっているかを見るという時間軸での発想です。しかし、売上が伸びていることだけで満足したらダメです。同業などと比較するヨコ思考も必要で、業界内のシェアも見ないといけません。「タテ・ヨコ思考」はいろいろな場面で応用できるのでお勧めです。
ビジネスのほとんどは基本「儲かるかどうか」で合理的に答えが出るもの。
自己主張が強い人は、同じ自己主張が強い人には弱い。逆に奴隷状態の人には強い。
読書でとくにお勧めしたいのは、古典を読むことです。古典は長いあいだマーケットで評価されて残っている本です。長く評価され続けているのは、いいことが書いてあるから。僕はいつもいっていますが、いま売れているビジネス書を10冊読むなら、古典を1冊読むほうが役に立ちます。
花には香りを、本には毒を。サイダーみたいな気持ちよくなる本はすきじゃない。
「ゆとり世代」という見方にも問題がある。人間は世代に関係なく、みんなが個性的でそれぞれ違う。ステレオタイプで人を捉えるべきではありません。
人目や他人の評価を気にせず、自分に正直であればそれで十分、仕事は3割でどうでもいいことだ。
「知ることは楽しいことだ」と思える人は、さらに伸びる。自分は賢い、何でも知っていると思ったら、学ばなくなる。
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