遠い先にゴールを定め、そこに最短距離で辿りつきたいと思っても、たいていの場合うまくいきません。道の途中にはたくさんの選択肢が用意されていて、どちらを選ぶかによって、進む方向がどんどん変わっていくからです。昨日の自分だったらイエスを選んでいただろうに今日は何となく「ノー」と言ってしまった。たったそれだけのことで、辿り着くゴールはまったく違ったものになります。だから、もともと銀行員になりたかったはずが、気がついたら八百屋の店先で大根を売っていた、というようなことが人生ではしばしば起こるのです。また、よかれと思ってやったことがとんでもない不幸を招いたり、最悪の選択が思いもよらぬ幸運に結びついたりすることが、頻繁に起こるのも、人生がゴールの見えないイエス・ノーゲームだからです。そう思っていれば最初の想定と違う方向にいっても、とまどうことなくそのときどきで、最良の意思決定ができるようになります。

出口治明

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