遠い先にゴールを定め、そこに最短距離で辿りつきたいと思っても、たいていの場合うまくいきません。道の途中にはたくさんの選択肢が用意されていて、どちらを選ぶかによって、進む方向がどんどん変わっていくからです。昨日の自分だったらイエスを選んでいただろうに今日は何となく「ノー」と言ってしまった。たったそれだけのことで、辿り着くゴールはまったく違ったものになります。だから、もともと銀行員になりたかったはずが、気がついたら八百屋の店先で大根を売っていた、というようなことが人生ではしばしば起こるのです。また、よかれと思ってやったことがとんでもない不幸を招いたり、最悪の選択が思いもよらぬ幸運に結びついたりすることが、頻繁に起こるのも、人生がゴールの見えないイエス・ノーゲームだからです。そう思っていれば最初の想定と違う方向にいっても、とまどうことなくそのときどきで、最良の意思決定ができるようになります。
出口治明
出口治明のその他の名言
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勉強を始めるタイミングに、「遅い」ということはありません。「無知ほど人間を堕落させるものはない」と肝に銘じて、今日から始めましょう。
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「やる」と決めたら集中できる。やるしかないという選択肢を選べば、うだうだ考えるのは時間の無駄だということが腹落ちするはず。
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いくら強い志があっても一人では何もできませんから、なぜそう考えるのか、どうすれば理想を実現できるのかを、人に説明して共感を得る能力が必要です。
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物事を理解してもらうには、絵を描くのが一番早い。できるだけわかりやすく図解する。たとえば、自分の子供に説明するとき、「こういうことだよ」と絵を描いて説明するでしょう。
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職場は何よりも仕事をするところ。「今日も一日元気に頑張ろう」とベストコンディションで毎日出勤する。これが社会人の最低限の心構え。