出口治明
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我が国の関連会社の人事では大抵親会社のトップ争いに敗れた人が一番大きい関連会社に行き、70歳ぐらいまで社長をやる。専務で敗れた人が次のクラスの関連会社の社長になり、常務で敗れた人はそのまた下のクラスの関連会社の社長になる。こんな無駄なポストの使い方はない。外に出て自分の力で修羅場を乗り越えた者を引き上げるべきだ。
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具体的な夢がなかったら、仮置きでもいい。人間は怠け者ですから、何か目的を設けないと動けない。
戦後の延長線上で考えるから行き詰まる。
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人間はそれほど賢くありません。それは長い歴史を眺めてみればよくわかります。同じ失敗は二度としないどころか、何度繰り返しても懲りずにまた繰り返す。なかには賢い人もいるでしょうが、そういう人だって全知全能というわけではない。賢い人も愚かな人も、人間全体で見ればその差はたいしたものではない、そんな人間が、世の中のすべての事柄に、正しい答えを出せるなんてことはあり得ません。
ムール貝を知らず食べたことがない人は、ムール貝の料理は考えられない。
日本の所得分布をみると、子育てを終えた世代よりも、これから子育てをしようとする若い世代の方がずっと貧しい。これが少子化の原因だと思います。こういったデータがあるから、子育て世代の生命保険を半額にして、安心して赤ちゃんを産んでもらおうということを、会社をつくるうえで旗印にしました。思いや願いの背景に数字があるわけです。
40代からの勉強では、リーダーとなることを意識しなければなりません。リーダーには強い思いが必要です。「志」といってもいい。世界のあり方をどのように理解し、そのうえで、何を変えたいと思うかが大切です。
自らが信じる何かを実現したいと強く思い、たとえ失敗しても諦めずに、1%の可能性を信じて挑み続けた人たちが、世界をより良く変えてきた。
興味のない本はすぐに処分して、自分が好きな本だけ読めばいい。好きこそものの上手なれです。
毎日を充実させることが、将来への準備となる。よくわからない先のことを心配している時間は無駄。
日本には優秀なビジネスパーソンがたくさんいます。ただし、残念ながらその優秀さには、多くの場合「会社のなかで」という但し書きがついてきます。会社の中で優秀だというのは、つまりは「パーツとして優秀」だという意味です。パーツは取り替えがきくし、全体の枠組みが変わったら、途端に使いものにならなくなってしまいます。いついかなる条件下でも正しい判断ができる。未知の局面でも何が真実かを見極められる。本当の優秀さというのはこうしたことをいうのであって、これからの日本の社会が必要としているのは、もちろんこちらの方です。
勉強を始めるタイミングに、「遅い」ということはありません。「無知ほど人間を堕落させるものはない」と肝に銘じて、今日から始めましょう。
準備していれば、本当の夢を実現するチャンスが巡ってくる。
ライフネット生命は2008年に営業を開始したばかりの若い会社ですが、社員の年代は様々です。4人の常勤役員も、30代、40代、50代、60代が各一人ずっとなっています。配属も年功序列ではなく、適材適所。十数人の部門の中で、部門長が一番若いというケースもあります。2012年は60歳を超えた社員を2人採用しましたが、上場企業で60代の正社員を新規採用しているところは少ないでしょう。
パワハラなどで部下に嫌われるのは論外ですが、人には好き嫌いがあるので、多少部下に嫌われるのは仕方がない。
「やる」と決めたら集中できる。やるしかないという選択肢を選べば、うだうだ考えるのは時間の無駄だということが腹落ちするはず。
成功体験を捨てて足元を見ると、わが国にはこれまで気付かなかった強みがたくさんある。
どんなプロジェクトでも、山あり谷ありは避けられません。「谷」の時期には、メンバーは元気を失います。そのときに、みんなを安心させて最後まで引っ張っていく力が必要になります。一般には統率力といわれるものですが、その実態を考えれば、コミュニケーション能力ということでしょうね。一人一人と丁寧にコミュニケーションを取って、盛り立てていく能力です。
子供の頃、ほとんどの人は「偉人伝」を読んだことがあるでしょう。そのときは、昔の英雄たちの活躍に、胸を躍らせたり、感動したり、憧れたりしただけだったかもしれません。ビジネスパーソンの皆さんには、そうした伝記をぜひ、もう一度読み返してもらいたい。なぜなら、偉人伝こそ、最高の人生の教科書だからです。
どんな会社でもステージによって見る数字が違います。ライフネット生命はまだ伸び盛りですから、新契約価値しか見ていない。でも、私が日本生命の社長だったら新契約価値は見ないでしょう。業界内で自社のポジションを把握し、どういうステージにあるかを認識したうえで、経営にとって何が大事かを考えることが重要です。
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