ハロルド・ジェニーン
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楽しい繁栄の雰囲気をつくるのに最も重要な要素は、経営組織の上下を通じて、開放的で自由で率直なコミュニケーションを定着させることだ。我々の頻繁な会議の背後にあったのはその考え方だ。どのマネジャーもトップに直接意思を伝えることができた。我々は階層に関係なく誰もが直接に意見を述べ合い、いかなる状況に関しても現実の事実に基づいて検討が行われるように、全員を一堂に集めることによって経営階層の間の壁を取り払った。
終わりから始めなさい!ゴールを設定すれば、"成功するためにすべきこと"が見えてくるから。
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真のリーダーは下の人々に、どんな理由からであっても、自分に近づくことを恐れさせないようにしなければならない。
多くのビジネス戦略家が見過ごしがちなことは、屑物置き場が稼ぎ出す1ドルも、石油会社やコンピュータ会社が稼ぐ1ドルとまったく同じものだということだ。
社内政略は停滞した会社に最もはびこり弊害をもたらす。いかなるマネジメントにとって重要なポイントは、社内政略というものは抑止しないと会社の士気と全身力を損なうため、絶対に許すべきではない。
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文字で読む事実と人の口から聞く事実は同じではない。事実を伝える人の信頼性は事実そのものと同じくらい重要である。
良いリーダーのやることは紳士的でなくてはいけない。誰も自分のリーダーが無知、優柔不断、弱さから無能を甘やかすことを望みはしない。弱いリーダーについていきたいとは誰も思わない。リーダーとして弱いことは最低である。困難な状況にぶつかったら、どう変わるかわからないからだ。困難で、不評判ですらある決断をすることを恐れない強いリーダーの方がずっと多くの尊敬と忠誠を勝ち取る。目下の人間を扱うのに紳士的で公正で信頼できると知られている限り。
ある問題を解決するのに22通りの方法を試み、それでもまだ成功しなかったら23番目の方法を試みなくてはならない。何かが上手くいっていないのを見つけたら、原因がわかるまで究明し、ひとつの解決法が効果をあげなければ、別の、また別の、さらにまた別の方法を試みることだ。
リーダーシップは、言葉よりも態度と行為によって発揮される。言うのはやさしいが、いったん問題が起こったとき、そうした信条を貫き通す最高経営者がどれだけいるだろうか。何人が自分の職業的経歴を危険にさらしても、自分が統率するマネジメントチームと労働者をかばうだろう。あるエグゼクティブがたった一度でも部下を裏切るなら、彼はその部下の経緯と尊敬を永久に失う。そして話は広く伝わる。
創造的ではあるが、起業家的と呼ぶのは至当でない。
良いアイデアというのは得難いものであり、最高経営者は創造力に富んだアイデアを歓迎し、育てる責任があると私はいつも考えていた。最高経営者は、一見突飛なアイデアに率先して予算や資金を割り当て、リスクを冒せる地位にある。少なくとも、そうあるべきだ。
通常、ある人の机の上がどんなふうかということから、その人の傾向について多くのことがわかる。私の経験から言って、机の上に何も出ていない、きれいな机の主は、ビジネスの現実から隔離されて、それを誰かに代わって運営してもらっている。トップマネジメントどころか、ミドルマネジメントでも、要求される仕事の量と水準を保ちながら、机の上を綺麗にしておくなど実際不可能である。
最初の四半期に目標を達成できなかったら、決して年間目標を達成することはできない。とにかく最初の四半期に予定された収益目標を達成するのだ。それから第2、第3の四半期の目標を達成する。そうしたら、もしかしたら第4四半期はあまり努力しなくても計画通りに行くかもしれない。
エグゼクティブとしてすることになっている仕事を本当にやっているなら、彼の机の上は散らかっているのが当然。
批判されるのが好きな人間はいない。批判を受けた場合、最初の反応は防御と反撃の衝動だ。しかし、それは各自が努力して自制すべき種類の衝動だ。誰かが私と意見が合わない場合、私はキッとなるのを避けるために、意識的に後ろにもたれる姿勢をとるように努めた。私は自分が間違いを犯そうとしているかもしれないときには、誰かがそれを指摘してくれることをいつでも望んでいた。私は相手の言うことを聞き、見解を交換した。
コングロマリットは単一製品、もしくは同じ業界のいくつかの製品に固執している会社に比べて明確な利点がある。広範囲の経済活動分野をカバーする多業種、多製品会社は、経済的不況に対する保険をかけているようなものだ。カバーする範囲が十分に広ければ、その会社のある製品には、他の製品が不況に見舞われているときも、需要がありよく売れていくだろう。どんな業種にもサイクルはある。それは潮のように上げ下げするが、潮よりずっと予測しがたい。
ITTで最初の2・3年、私は水っぽい、口ごもった、あいまいな報告書を散々読まされた。そこで私は報告書に何を期待するかを、はっきりと述べたメモを配布した。今後、私はすべての報告書の冒頭に、以下のことを以下の順に、具体的かつ率直に述べた概要をつけることを要求する。1.提案の要領。2.問題の概要。3.必要な場合には、その提案に到達した論拠を明らかにするため、思考過程の明確な説明と、判断を助ける展望を提供してくれる数字。4.右以外の起案者の個人的意見と、確信の度合いと、取り上げられた事柄に関する疑問点などを述べた短い記述。
やったことは測れるが、やらなかったことを評定するのは、ずっと難しい。
余分に働くことの価値の理論的根拠ははっきりしている。ほとんど同等の知能と能力を持つ二人の人間を想定してみなさい。そして10年間、一人は1日8時間、もう一人は1日12時間働き続けたとしよう。10年たったころに、一人は10年、もう一人は15年に匹敵する経験を積んだことになる。君が人を雇う立場だったら、その二人のどちらを雇うだろう。どちらの方が他よりすごれたビジネスマンになる可能性が大きいだろう。
実績はすべてであり、実績のみがすべてである。これがビジネスで変わらない大原則だと私は思う。実績のみが、君の自信、能力、そして勇気の最良の尺度だ。実績のみが成長する自由を君に与えてくれる。
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