宮崎駿
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才能とは、情熱を持続させる能力のこと。
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僕は思想家になるよりも、目の前にいる子供たちに映画をつくってるということが一番大事だと思えたから、思想家になんかなりたくないですから。だいたい、僕が言ってるようなことはもっと立派なお坊さんたちが遥か昔から言ってるんです。
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もっと前だったら能天気なものを作った筈なんです。それが「ナウシカ」なんていうこんがらがった作品を作り始めたのは、時代がこんがらがって来てその結果なんだとぼくは思ってるんですけどね。「自然は大切です」とか「宇宙船地球号」とかね、そういう甘い言葉で括れるほど単純な問題ではないんです。
とんでもない才能もっててね、情熱があって、それで人をちゃんと説得したり、話が通じたり、コミュニケーションできる能力をもっている。これがとても大事なことなんです。コミュニケーションの能力がなくて、才能のある人間はけっこういるんですよね。
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あんまり自分がやりたいと思っていることを分析しようと思ったことはないんです。分析した途端にくだらなくなってくるから。
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魔女の宅急便のときは、本当にみんな貧乏になっちゃって。作品の精度を上げようと思って、一枚あたりに手間がかかるようになると、能率が上がらないから貧乏になっちゃうんです。原画を描いていても給料が10万円にいかない子とかね、そういうのが出始めちゃった。本当にこのままのやり方でつくり続けるなら、ちゃんと待遇をしなきゃいけないなっていう。だけど、ちゃんとし待遇をすると絶対生産性が悪くなる。社員化なんかしたら生産性が悪くなるのは、もう目に見えてるんです。だけど、つくり続けるならそっちを選ばなきゃいけない。
日本ということに限定しなくてもいいんですが、人間にとって自然というのはどういう意味を持っているんだろうと。「自然」という言葉は非常に曖昧ですけれども、要するに人間の周りにまだ残っている他の生物ですね。動物たちだけじゃなくて、たくさんの植物たちも…そういうものの持っている役割にもっと光を当てようということです。
人もミミズもみな同じというところに、もう一回戻ったほうがいいよ。
子供っていうのは、可能性の生き物なんですよ。たくさんの選択肢を、毎日持ってるんです。大人も実はそうなんですけどね。
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結局あの、本当に思うけど趣味持ってる奴は駄目ですね。全部アニメーションに吸い取られてしまった人間でないと。
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半端な仕事はやっちゃいけないですね。それは本当に思います。
最近の映画には成長神話みたいなものがあって、そのほとんどは成長すればなんでもいいと思ってますね。だけど現実の自分を見て、お前は成長したかと言われると、僕なんか何かこの60年、ただグルグル回っていただけのような気がするんです。
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中小企業は特にそうですね。なんかやっぱり、みんな同じような待遇で、ちゃんと扱いたいと思ってても、それができないから、アルバイトにしたり日給月給にしてやってるわけで、それは申し訳ないなあっていう気持ちがどっかに働かないとやっぱり嫌です。
幸運と才能さえあれば、何とかなると思います。
いつでも、どうしてこれが流行るのか、よくわらかないものが流行ります。それもいろいろあっていいんじゃないかと僕は勝手に思っています。
もう、とことん考える。ありとあらゆる方向を探るんです。とことん困ると、奥のほうでふたが開くんです。そのふたが開くと、最初に考えもしなかった方向が見えたりする。それでも、一歩進めるんです。
一人ひとりが立ち止まったら、色が黒かろうが白かろうが、ボスニア・ヘルツェゴビナにいようが奥尻島にいようが、みんな同じなんだ。家族のことを思って泣いたり叫んだり。
つい偉そうに文化人ヅラして「子育ての環境とは」などという発言をしてしまうことがありますが、たいてい誰も聞いていません。つまり、いくら発言をしてもなんの影響力もないのです。必要なのは、理念を語ることではなくて実際になにかをやることです。
地球のことを考えたら本当は人間なんていない方がいいんだ。
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ある面倒くさいカットを外注のプロダクションがやってくれたんですよ。それがとてもよかったんです。だから、これはお礼を言った方がいいなと思ったから、なんかの拍子に電話がつながったとき替わってもらって「いやあ、とってもいいカットでした。どうもありがとうございました」って言ったらね、そのあとその人は泣いたって聞いて。別に泣かせるつもりで言ったわけじゃないですけど。ただそういう配慮がもう少しできたらなんかいいのになあと思いました。
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