橋下徹
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憲法9条は、今の時代に合っていない。世界の状況を見れば、日本も安全保障の責任を負わなければならない。沖縄問題を解決するためにも、アメリカに全ておんぶにだっこではダメだ。しかし、これはまだまだ国民全体に意識されていない。これから政治家が説いていく最重要課題だ。
大阪都構想は新たなチャレンジなので、メリット・デメリットがあるだろう。しかし、それを市民に示すのが政治家の役割だ。メリット・デメリットを示して、最後は住民投票で決めてもらう。もし住民が、政治家自らの意見と違う判断をしたのであれば仕方がないと割り切るのも政治家の責務だ。
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いままでの選挙のスタイルというのは、有権者の皆さんにいかに美味しいリンゴを与えるかどうかだったと思うんです。しかし、今度の選挙は美味しいリンゴを与えるのではなく、美味しいリンゴの木がなる土壌や畑をどうつくり替えていくかを、国民の皆さんにしっかり示すべきだと思っています。ただ、畑の耕し方とか肥料を与えるタイミングというのは、なかなか説明が難しい話なんですけどね。
これだけ大きな国で司令塔が東京だけなのは致命的。首都機能を代替できる場を大阪に作りたい。
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すなわち政治を鍛えるのは当然のこととして、メディアの質が国の政治の質を左右することを知事の経験から確信した。新聞の社説一本、有名キャスターのコメント一つが、日本の政治・行政を動かす現場を見てきた。政権中枢ですら新聞の社説一本で動く。知事がどんなに騒いでも何にも動かないのに。
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世間は色々な批判があるかもしれませんが、僕は市長として短時間にできる限りの調査をし、そこから上がってくる事実だけでも、今回は新入生を迎えるわけにはいかないと判断しました。そして教育委員会も同じ判断だったわけです。ここでそのまま入学を認めることこそ、受験生のためにはなりません。
コメンテーターは何の責任も負わない。言いっ放しで済む。判断の誤り、見立ての誤りについて何の責任も負わない。何を言っても批判される厳しい状況では、見解を述べることを回避できる。逃げれる。しかし政治家は常に、あらゆることに責任を負う。逃げは許されない。これが決定的な違いだ。
当時が良かったからと言って、今の時代で全て正当化されるものではないのは当たり前。ただ、当時の状況はしっかりと知る必要がある。自らを正当化するためではなく、不当に侮辱されないため。
「変わる必要はない」「変わるつもりはない」と、いまの体制のままでいいという人はまだごまんといます。これを変えようと思ったら、相当気合が入ったメンバーが集まらないといけません。
大阪維新の会には国の仕組みを変えるだけの力はない。国のかたちが変わるのは、国自身によるものではない。必ず外圧で変わるのである。外圧とは外国だけでではない。地方の政治力も外圧の一つである。ヨーロッパの市民革命、アメリカの独立戦争、辛亥革命、明治維新。全ては地方の政治力からである。
人権を普段声高に叫ぶものは、真の人権派ではない。ほとんどが権力に突っかかりたいだけ。反権力の姿勢を示すことがかっこいいと思っている。弁護士会を筆頭に、人権を語る団体、自称有識者などわんさかいる。しかし本当に人権が問題になった時には、全く動かない。
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大阪維新の会はまずは大阪のかたちを変える。今までの体制ではお先真っ暗。大阪府庁と大阪市役所と言う巨大な行政機構を再編する。これくらいのことができずに道州制など実現できるわけがない。倉田府知事立候補予定者は、まず国が方針を決めなければ大阪都構想など無理と断言する。
大阪都構想の是非は僕や知事、議会が勝手に決めることではない。最後は住民投票で決めるのだ。だから住民の皆さんに判断してもらうための大阪都の設計図を必死になって作っている。かれこれ2年半になった。あともう少しで完成するところ。大阪都構想については中身が分からないとの批判が多い。
まさにこういう事態を避けるために、表現の自由は最大限に保障され、仮に制約をするにしても明確な基準で制約をしなければならないことになっているはず。ところが公選法はボロボロだ。どこまで何をやっていいのか、ダメなのか、基準があいまいなので、全候補者は一斉に表現を止めてしまう。
どんなにいい政策を出しても、どんなにいい政治家が出てきても、統治機構や行政機構という国のシステムがマッチしなければ何も実現できません。
交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、はっきり言って三とおりの方法しかない。「合法的に脅す」「利益を与える」「ひたすらお願いする」の三つだ。その中でも、もっとも有効なのが、「利益を与える」である。
政治指導者や企業トップは、「正しいことは何か」を的確に判断する力よりも、「正しいことを言うのは誰か」を判断する力を持つことが重要だ。判断に必要な論点を設定して、その論点について専門家の意見を聞くにしても、トップが専門家と同じレベルまで自ら深く勉強するなんて無理。トップが専門家と同じレベルの専門的知見を持っているなら、そもそも専門家など不要になってしまう。だから専門家の意見の中身について、トップが専門的に検討することは無駄なので辞めた方がいい。トップは「正しいことを言うのは誰か」という視点で判断するしかない。
自分が正しいと思っている価値観でも、相手にとっては正しくないという事態がどんどん生じる。この価値観の実体論にこだわっているのが日本のメディア。自分の価値観が絶対的に正しいと信じ込んでいる。違う。どの価値観が正しいかは分からない。だから公正なプロセスでどれを採用するか決定しよう。
30年後には、オリンピック招致に名乗りを上げられるような大阪に。歴史や伝統、文化の違いはあっても、東京と並ぶ日本のエンジンとしての大阪に。そのためには、大阪府庁、大阪市役所、堺市役所の再編が必要不可欠。大阪都庁と新制大阪区役所、堺区役所。これが大阪都構想。堺は決してなくならない。
だから僕は大阪の将来のかたちを決める住民投票のために、全力で大阪都構想の設計図を作っている。仮に来年の4月に統一地方選挙になったとしても、しっかりと住民の皆さんに判断してもらうために大阪都構想の設計図を夏までには作らなければならない。
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