橋下徹
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政治指導者や企業トップは、「正しいことは何か」を的確に判断する力よりも、「正しいことを言うのは誰か」を判断する力を持つことが重要だ。判断に必要な論点を設定して、その論点について専門家の意見を聞くにしても、トップが専門家と同じレベルまで自ら深く勉強するなんて無理。トップが専門家と同じレベルの専門的知見を持っているなら、そもそも専門家など不要になってしまう。だから専門家の意見の中身について、トップが専門的に検討することは無駄なので辞めた方がいい。トップは「正しいことを言うのは誰か」という視点で判断するしかない。
自分が正しいと思っている価値観でも、相手にとっては正しくないという事態がどんどん生じる。この価値観の実体論にこだわっているのが日本のメディア。自分の価値観が絶対的に正しいと信じ込んでいる。違う。どの価値観が正しいかは分からない。だから公正なプロセスでどれを採用するか決定しよう。
だから僕は大阪の将来のかたちを決める住民投票のために、全力で大阪都構想の設計図を作っている。仮に来年の4月に統一地方選挙になったとしても、しっかりと住民の皆さんに判断してもらうために大阪都構想の設計図を夏までには作らなければならない。
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挑戦して失敗することに対しては拍手を送る組織にしたい。
悪代官がひどいと一揆が起きるということは、霞が関の役人も歴史に学んでいるはず。
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相手方の話を自分の言葉に置き換えることは、自分の理解度をはかる指標にもなる。
改革なんていうのは、補助金を、お金の使い方を変えるってことですから。一番重要なのは予算の使い方を変えるってことですから。
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原発政策の道筋を示すのは、これからの作業だ。政策の実現プロセスを踏まえれば、一番重要なことは、野党でも霞が関をフル活用できるようにすること。この仕組みを作らないと、原発政策について各政党が道筋を持ち寄って議論することができなくなる。政党には道筋は示す能力はない。
今の段階では脱原発依存体制の構築を目指す。そしてそれに向かって、官僚組織や専門家に、論点・課題整理をしてもらいながら、具体的工程表を作っていくとしか言いようがない。そして工程表ができてから、国民に方針を宣言する。各政党、具体的な工程表を基にして、初めて実質的な議論ができる。
専門家たちが散々議論しても結論が出なかった問題、あるいは誰も確信を持てないという問題、そこへ判断を下すのがトップというもの。つまり理屈で判断できるレベルの問題であれば、トップが乗り出すまでもなく、しかるべき段階で判断が下されているはず。理屈で簡単に解が見出せないからこそトップの判断が求められる。
人権を普段声高に叫ぶものは、真の人権派ではない。ほとんどが権力に突っかかりたいだけ。反権力の姿勢を示すことがかっこいいと思っている。弁護士会を筆頭に、人権を語る団体、自称有識者などわんさかいる。しかし本当に人権が問題になった時には、全く動かない。
実際、政治をやってみてつくづく感じました。コメンテーターやコンサルや評論家、学者がいっていることは、ほぼ実現不可能な絵空事だと。
体制を変える、仕組みを変えるというのは、民主主義ではほんとに容易ではないと思います。
まさにこういう事態を避けるために、表現の自由は最大限に保障され、仮に制約をするにしても明確な基準で制約をしなければならないことになっているはず。ところが公選法はボロボロだ。どこまで何をやっていいのか、ダメなのか、基準があいまいなので、全候補者は一斉に表現を止めてしまう。
一番腹立つのは「何もやっていない無駄な8年間だった」って。「あんたのコメンテーター期間のほうが無駄だろ」っていうんですよ、本当に。
政治指導者や企業トップは、膨大な知識・情報を自ら獲得する必要はない。当該問題を考えるにあたってどのポイントで検討すべきなのか、いわゆる論点設定能力があればいい。検討すべき論点が適切に設定されれば、あとはその論点について専門家に分析・検討してもらえばいいからだ。
すなわち政治を鍛えるのは当然のこととして、メディアの質が国の政治の質を左右することを知事の経験から確信した。新聞の社説一本、有名キャスターのコメント一つが、日本の政治・行政を動かす現場を見てきた。政権中枢ですら新聞の社説一本で動く。知事がどんなに騒いでも何にも動かないのに。
自民党では本気の改革はできない。自民党の公約は、野心的な数値目標が掲げられている。基本的には賛成だ。しかし自民党はそれをどうやって実現するのかを逃げている。あの野心的な数字を実現するためには、死に物狂いの改革を断行しなければならない。しかしその改革には死に物狂いで既得権が抵抗する。
居酒屋で隣に座った人に説明して、理解してもらえるかという視点で説明してほしい。
世間は色々な批判があるかもしれませんが、僕は市長として短時間にできる限りの調査をし、そこから上がってくる事実だけでも、今回は新入生を迎えるわけにはいかないと判断しました。そして教育委員会も同じ判断だったわけです。ここでそのまま入学を認めることこそ、受験生のためにはなりません。
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