橋下徹
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ぼくは政治家の役割は政策よりも体制や政治の仕組みをどうするかを考えることが大事だと思っているんです。
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「変わる必要はない」「変わるつもりはない」と、いまの体制のままでいいという人はまだごまんといます。これを変えようと思ったら、相当気合が入ったメンバーが集まらないといけません。
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世間は色々な批判があるかもしれませんが、僕は市長として短時間にできる限りの調査をし、そこから上がってくる事実だけでも、今回は新入生を迎えるわけにはいかないと判断しました。そして教育委員会も同じ判断だったわけです。ここでそのまま入学を認めることこそ、受験生のためにはなりません。
すなわち政治を鍛えるのは当然のこととして、メディアの質が国の政治の質を左右することを知事の経験から確信した。新聞の社説一本、有名キャスターのコメント一つが、日本の政治・行政を動かす現場を見てきた。政権中枢ですら新聞の社説一本で動く。知事がどんなに騒いでも何にも動かないのに。
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これだけ大きな国で司令塔が東京だけなのは致命的。首都機能を代替できる場を大阪に作りたい。
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どんなにいい政策を出しても、どんなにいい政治家が出てきても、統治機構や行政機構という国のシステムがマッチしなければ何も実現できません。
大阪都構想の是非は僕や知事、議会が勝手に決めることではない。最後は住民投票で決めるのだ。だから住民の皆さんに判断してもらうための大阪都の設計図を必死になって作っている。かれこれ2年半になった。あともう少しで完成するところ。大阪都構想については中身が分からないとの批判が多い。
大阪都構想は新たなチャレンジなので、メリット・デメリットがあるだろう。しかし、それを市民に示すのが政治家の役割だ。メリット・デメリットを示して、最後は住民投票で決めてもらう。もし住民が、政治家自らの意見と違う判断をしたのであれば仕方がないと割り切るのも政治家の責務だ。
国の負荷があまりにも重すぎて、国の政治が機能していない。地方も責任を負担していないので国にお金をねだるばかり。こんな国の仕組みではどんな政治家がどんな政策を掲げようが日本に未来はない。日本の仕組み、日本のかたちそのものを変えなければならない。
憲法9条は、今の時代に合っていない。世界の状況を見れば、日本も安全保障の責任を負わなければならない。沖縄問題を解決するためにも、アメリカに全ておんぶにだっこではダメだ。しかし、これはまだまだ国民全体に意識されていない。これから政治家が説いていく最重要課題だ。
この点を日本政府はあいまいにしている。強制連行があったのかなかったのか。日本政府は明確にすべきだ。日本の責任を回避するためではない。世界からの不当な評価について異議を申し立てるために。もちろん、強制連行の有無にかかわらず日本が反省することは言うまでもない。
大阪維新の会には国の仕組みを変えるだけの力はない。国のかたちが変わるのは、国自身によるものではない。必ず外圧で変わるのである。外圧とは外国だけでではない。地方の政治力も外圧の一つである。ヨーロッパの市民革命、アメリカの独立戦争、辛亥革命、明治維新。全ては地方の政治力からである。
自分が正しいと思っている価値観でも、相手にとっては正しくないという事態がどんどん生じる。この価値観の実体論にこだわっているのが日本のメディア。自分の価値観が絶対的に正しいと信じ込んでいる。違う。どの価値観が正しいかは分からない。だから公正なプロセスでどれを採用するか決定しよう。
その他小児科・産婦人科の医師数って、こんなの知事の力だけではどうしようもない。知事の仕事として責任を持たないといけないところをきっちりと分析・評価して厳しく意見して欲しものだ。そのくせマクロ指標で何が重要かも毎日は全く分かっていないらしい。
コメンテーターは何の責任も負わない。言いっ放しで済む。判断の誤り、見立ての誤りについて何の責任も負わない。何を言っても批判される厳しい状況では、見解を述べることを回避できる。逃げれる。しかし政治家は常に、あらゆることに責任を負う。逃げは許されない。これが決定的な違いだ。
挑戦して失敗することに対しては拍手を送る組織にしたい。
政治指導者や企業トップは、「正しいことは何か」を的確に判断する力よりも、「正しいことを言うのは誰か」を判断する力を持つことが重要だ。判断に必要な論点を設定して、その論点について専門家の意見を聞くにしても、トップが専門家と同じレベルまで自ら深く勉強するなんて無理。トップが専門家と同じレベルの専門的知見を持っているなら、そもそも専門家など不要になってしまう。だから専門家の意見の中身について、トップが専門的に検討することは無駄なので辞めた方がいい。トップは「正しいことを言うのは誰か」という視点で判断するしかない。
交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、はっきり言って三とおりの方法しかない。「合法的に脅す」「利益を与える」「ひたすらお願いする」の三つだ。その中でも、もっとも有効なのが、「利益を与える」である。
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今の教育行政は、完璧な中央集権体制。国が動かなければ地方は何一つ動けない体制。そこを何とかしようと挑戦したのが大阪教育基本条例だった。今の教育行政の体制は、地方の首長や議会を教育から排除し、文科省をトップとする鉄のピラミッドとなっている。
有権者と直接つながり、専門家も飛び込み、メディアも入ってくればいい。最初は無秩序かもしれないが、徐々にルールはできるだろう。とにかく、政策論をすれば良い。そこから真実がうっすらと見えてくるだろう。ネットでの選挙運動の禁止。これこそ日本の民主主義が成長しない最大の規制。
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