日本にいるとき、私は日本や韓国を前景として見て、それ以外の世界は後景としてしか見ていませんでした。しかし、留学をすることによって、後景にも目を向けることができた。そして、日本や韓国を世界の中に位置づけて見ることができるようになりました。その見方が、その後の国際政治学者としての私を形作っています。
姜尚中
姜尚中のその他の名言
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人間は悩まないと本当の力は出てこない。中途半端に悩んでいるから、中途半端な決断しか出てこない。「悩む力」を養うことで、自分の人生を切り開いていくための決断力が磨かれる。
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目の前のことだけを見るのではなく、それをより広い世界の中に位置づけて見ることは重要。自分の仕事が10年後、20年後も安泰なのかどうかも、そうした見方ができなければ判断ができません。
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20代最後の年、旧西ドイツに留学したことで、世界の見方が変わりました。見方が変わるということは、自分が変わるということ。ですから、この留学が私の人生のターニング・ポイントだったと言えるでしょう。
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よく「悩まないで済む方法」なんて題の本がありますが、それは誤りです。人間は生きている限り、悩みはなくならないものです。ならば、徹底的に悩みましょう。
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視野狭窄に陥らないためには、身の置き場所を変えてみること。それが難しければ、文学を通して、他の人の人生を疑似的に体験するのもいいのではないでしょうか。
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堂々と悩んでいい。生きるとは、不確実性を抱きしめること。これからの日本は不確実性はますます高まる。そんな時代にどう立ち向かっていくか。大切なのは悩むこと。大いに悩めばいい。
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いまの日本は非常事態が日常化している。だからこそ、しっかりと悩む力が必要なんです。もっと悩んでいい。ただし、1ミリぐらいは変わらなきゃいけない。自分が変われば、初めてビッグなものが見えてきますよ。
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もしも、出世した同期と仲が悪かった場合は、同期の第三者、つまり自分と相手の両方を知っている人に、その人なりの見方、考え方を素直に聞いてみるのがいいでしょう。
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いまこそリベラルアーツに触れることを勧めます。たとえば、夏目漱石のような古典を読むと、現代にも通じる生き方のヒントが散りばめられています。
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現代のような成果主義、前進主義の世の中では、悩みは否定的にとらえられてしまう。解答を急ぐ時代だからです。その結果、何をどうしていいのかわからなくなってしまう。
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悩むことは重要なんです。もしかしたら、答えは出ないかもしれない。でも、悩みの海を泳いでいく力をつけなければ、生きていくための内発的な力は出てこないのです。