先の見えにくい時代ですが、どうか自分の生き方を大局的に見て欲しい。人生に、仕事に、会社に何を求めるのか。迷っている人が多いようです。仕事が第一の人でも、オフの部分をきっちり分けて、そのなかにもうひとつの自分をしっかり作ってほしい。オフを豊かにできれば、オンの部分も豊かにできるはずです。それができないと、自分を見失いかねません。真剣に考えて、悩むだけ悩んだらあとは腹をくくっていきましょう。
姜尚中
姜尚中のその他の名言
-
いまこそリベラルアーツに触れることを勧めます。たとえば、夏目漱石のような古典を読むと、現代にも通じる生き方のヒントが散りばめられています。
-
人生が不確実だということは、解答はないということ。正解を探し求めても意味がない。自分で精いっぱいに悩んで、自分で決断していくしかない。
-
もしも、出世した同期と仲が悪かった場合は、同期の第三者、つまり自分と相手の両方を知っている人に、その人なりの見方、考え方を素直に聞いてみるのがいいでしょう。
-
どんなに後悔に満ちた人生でも、過去は変えられない。神様だって否定できない。だから、自分がここまで生きてきた過去という事実に誇りを持ってほしい。
-
将来の不安ばかりに意識を向けることは、避けなければなりません。未来という不確かなものは、現在の自分にとっては「無い」のと一緒。それなら、必要以上に未来を思いわずらうのは無意味。
-
視野狭窄に陥らないためには、身の置き場所を変えてみること。それが難しければ、文学を通して、他の人の人生を疑似的に体験するのもいいのではないでしょうか。
-
20代最後の年、旧西ドイツに留学したことで、世界の見方が変わりました。見方が変わるということは、自分が変わるということ。ですから、この留学が私の人生のターニング・ポイントだったと言えるでしょう。
-
目の前のことだけを見るのではなく、それをより広い世界の中に位置づけて見ることは重要。自分の仕事が10年後、20年後も安泰なのかどうかも、そうした見方ができなければ判断ができません。
-
人間は悩まないと本当の力は出てこない。中途半端に悩んでいるから、中途半端な決断しか出てこない。「悩む力」を養うことで、自分の人生を切り開いていくための決断力が磨かれる。