以前、茨城県に新工場を立ち上げる際、5人の部長がそれぞれ自分の部下を工場長に推薦してきたことがあった。皆、自分の部下は優れていて、相手の部下は「協調性がない」「上役の言うことを聞かない」などと批判して、なかなか議論がまとまらなかった。そこで私は推薦された部下5人に円陣を組ませて、その中心で鉛筆を倒すことにした。倒れた方向の人を工場長にするという寸法だ。それぞれ一長一短あるのだったら、誰が工場長になっても同じと思ったんだ。人選を「重力」に任せたら、鉛筆は5人の中で一番経験の浅い若い奴を指し示した。茨城工場の従業員は数人からスタートして、その後、100人ほどの規模に拡大したけれども、その若い社員は立派に工場長の職務を果たしてくれた。
山田昭男
山田昭男のその他の名言
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私は基本的に誰に何のポストを与えても構わないと考えている。頭が良くなくてもいい。それなりの立場を与えさえすれば、誰だってそれなりに仕事をこなす。私はそうした考え方に基づいて人事に采配を振るってきた。
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人生は、やってみなきゃわからんことばかりだ。やってみようじゃないか。一歩踏み出してみようじゃないか。私はこわくないよ。「こわい」という言葉が私の字引にないから。
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人のいない机の上をわざわざ照らしておく必要はない。席を外す際には、必ず自分の机の上の蛍光灯を消す。それを徹底させる狙いで、個々人が責任を持って管理する蛍光灯をはっきりさせている。
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生来のアマノジャク気質もあって、いつも人と違うことで驚かそうという山っ気がやる気の源だろうね。クールビズなんて私は十数年前からやっている。実用新案で認めて欲しいくらいだ。
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工夫により、職人が感動し、未来工業のファンになってくださるようになる。ファンが増えることによって商品がたくさん売れる。たくさん売れることによって会社が発展する、という図式が成立する。