宗次徳二
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助け合い、支え合いにあふれた社会を実現することが夢です。国や自治体に余裕がないのなら、経営者の出番です。多くの人々のおかげで会社経営をさせてもらっているのだから。誰かが困っているなら自分が助けたい、そう考える経営者が1人でも増えることを願っています。
礼状にはくだけた表現は使いません。手紙でユーモアを伝えるような相手というのは、本当に限られていると思いますから。また、礼状は全部手書きします。
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道なき道を切り拓いてきたという感じです。手探りで、失敗もありました。ただ、迷ったときの答えは現場にあった。
数百円でもあれば、それをギャンブルに使う性格。パチンコに行く毎日でした。
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サービスはモノではなく、態度やもてなしの心でやるべきものです。
基本的に誰でも人に笑ってもらうことは好きだと思っています。だから私もついギャグを言ってしまうんですが、たいていはやめておけばよかったと後悔します。講演でも最初はひんやりとした受け止め方をされますね。でも、お笑いを商売にしているわけではないから、ウケようとしても無理なんです。そう思ってめげずにやっています。
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私がマニュアルの重要性を説くと「サービスが機械的になる」「現場に任せた方が社員が育つのではないか」と反論されることもあります。しかし、お客様の視点に立って考えると、現場の個々人の感性に任せたサービスが本当にいいのか疑問に思います。たとえば、ある従業員が常連のお客様にマニュアルにない特別なサービスをしたとしましょう。特別な対応をすれば、そのお客様は確かに喜んでくださるでしょう。しかし、それを横で見ていた他のお客様は「何であの人だけ」「自分もそうしてほしいのに」と感じるかもしれません。このようにお客様によって対応が違うことを、私は良いサービスだとは思えません。声の大きいお客様だけが得をして、性格的に控えめなお客様が損をした気分になるようでは、あんまりじゃありませんか。
私がアイデアを、妻が調理に接客、資金調達などを担当していました。そもそも喫茶店を始めたのも、カレーの味も妻のお手柄です。だから、私はどうやったら1人でも多くのお客様に喜んでいただけるかを一生懸命に考える。最初からお互いの役割が明確だったんですよ。
先のことは分かりません。でも目の前の目標に対して精一杯取り組んでいく。毎日を一生懸命過ごしていく。そうすれば、悪いことにはならない。
お客様に喜んでいただくという視点から、ココイチでは膨大な量のマニュアルを用意しています。ただし、それさえ守ればいいのかというと、決してそうではありません。大切なのは、お客様への感謝の気持ちや気配りができるかどうか。そういった気持ちがなければ、マニュアルによる対応が逆効果になってしまうこともあります。
戸籍上は石川県生まれですが、両親が誰なのかわかりません。兵庫の孤児院で育ち、3歳の時に雑貨商を営む夫婦に引き取られました。ところが養父がギャンブルにはまって財産をなくし、夜逃げするように岡山に移ったんです。
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サービス業に従事する者にとっては、お客様から褒められることは何よりの励みです。サービスの本質を教えてくれると同時に、やる気も引き出してくださるお客様こそ、スタッフにとって最高の先生だと私は考えています。
お客様アンケートのハガキを郵送で回収するという方法を採っているのは、2つの理由があります。ひとつは、お客様に本音で書いていただくため。すぐそばに店員がいて、誰が何を書いたかがわかる状況では、お客様は正直な感想を書けないかもしれません。もうひとつは、店舗スタッフの隠蔽を防ぐため。自分の店舗にとって都合の悪いことが書かれていたら、そのアンケートハガキの存在を握りつぶしたくなるのが人情です。店舗のスタッフにそうした葛藤をさせないでいいように、直接本部に戻ってくるよう、郵送という方法を採っています。
起業とは、必死でかき集めた現金を積んで、苦労を売ってくださいっていうもの。思いどおりにいかない、家族が不幸になる、だったらやめておきなさい。しかし、人生1度きり、本当に耐え忍んでやり抜く覚悟があるんだったら、逆に今日からやりなさい。やれば答えが全部出ますから、早くやりなさい。
ココイチの社員やメイトさんは、どうして気持ちの良いサービスを提供できるのか。その理由としてまず考えられるのは、マニュアルの存在でしょう。もちろん、マニュアルは多くの飲食チェーンで備えているものですが、ココイチのマニュアルはきめ細かく、しかもそれをしつこいくらいに指導しています。
右肩上がりの成長がほとんどの問題を解決してくれる。だから、必ず達成可能な目標を設定して、それをクリアし続けることが大切。
現場に入って自ら手本を示すのは、決して楽ではありません。でも、口で言うだけでは社員はなかなか理解してくれないのも事実です。昔から率先垂範は大事だといわれていますが、私も同感です。自分でやってみせるからこそ、言葉にも説得力が出るのではないでしょうか。
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私に対して負い目を感じてるな、引け目を感じているなという人には、和んでもらうために、くだらないことを言います。逆に、自分より強い立場の人には、気を使うことはありません。
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一時の成功よりも、継続することの方が大事なんです。どんなに失敗してもめげずに続けていく。その情熱が大事です。
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たとえば、多くの中小企業で悩んでいる後継者問題ですが、経営が右肩上がりならば、跡を継ぎたいという人は必ず出てきます。どうも先行きが不安だという状況だから、後継者がいないんです。社員教育や待遇の問題、社会貢献をどうするかなど、悩みはたくさんあっても、経営が右肩上がりなら、なにかしらの手立てはある。だから、経営者の最大の役割は、会社を右肩上がりで成長させることです。私は経営者としては能力不足ですから、とにかくそこだけにこだわってやってきたと言えるかもしれません。
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