宗次徳二
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人の役に立ち、人を喜ばせることは究極の贅沢。
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何よりもまず、「お客様第一主義」ですね。自分たちのことは二の次で、お客様に身を捧げる。
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とにかく褒めて社員を伸ばすという考え方もあるかもしれませんが、褒めるに値しないことまでわざとらしく褒めると、言葉が軽くなって効果がなくなる気がします。私の場合は、7対3で注意や指導の方が多い。叱るべきときは叱る、褒めるべきときは褒めると素直に考えていたら、自然とこのくらいのバランスに落ち着くようです。
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ライバル店を観察するより、「自らが現場におもむき、自分の店を厳しくチェックする」のが私の考え方です。では、どこを見ればいいのか。商品よりも接客をチェックします。なぜなら、接客ができていない店はたいてい、売上が落ちているからです。私が会長をやっていた時代、800店まで出店しました。そのうち、閉めたのはわずか2店です。どんな店でも、トップが現場におもむき、厳しい目でチェックすれば持ち直すと思います。
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経営者にとっては、右肩上がりの経営を継続することが全てだと思います。会社が増収増益を続けていれば、人材採用、社員教育、モチベーションなど、どんな問題もほとんど解決できます。もちろん、自分が信じたやり方からブレる事なく会社経営に身を捧げ、嫌なこと、厳しいことに率先して立ち向かう姿勢は必須として。売り上げのグラフがずっと右肩上がりなら、「ここで頑張れば何年か後には幹部になれそうだ」と、みんな頑張りますよね。
店のチェックのとき、店長がほかのお客様よりも、私に先にカレーを持ってきたことがあります。私は厳しく怒りました。お客様が第一。私に気を使ったりするような、間違った判断はいりません。
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1日として同じ日はない。たった1日でも完璧に運営するのは困難なのですから。しかし、それを目指して努力を続けることはできるはずです。
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一日ずつ、一月ずつ、目の前のお客さまに対して一生懸命にサービスをすること。ただ、それだけのことでした。
一人一人、求めるものは違います。だから、とにかくがむしゃらに仕事をしたいという人には、年俸制を採用して高給で働いてもらう。プライベートを大切にしたいという人には時短勤務を適用するなど、可能な限り、「その人にとってのナンバーワン」の待遇を実現したいと思って取り組んできました。
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「会社は自分のもの」という考えが間違いのもと。株式を公開したらなおさらだ。私の場合は、もう全力で悔いないところまで走り切って、気が付いたら有能な人が後ろにいた。執着なく会社を譲れたのは、何もかもがラッキーだった。
1人でも多くのお客様においしいカレーを届けたい、たくさんの人に雇用の機会をつくりたいと思うと、多店舗展開は必須ですよね。それに、今年も去年と同じだとつまらない。毎期、前期より高い目標をしっかり設定し、必達し続ける。そうしたら自然と右肩上がりのグラフになっていったんですよ。急いで大成功を目指すのではなく、コツコツと積み上げる。ひたすら心を込めて汗をかくことは、本気でやろうと思えば誰にでもできることですからね。
一度指摘したから、と指導を一回で終わらせないことも大事です。ココイチの社員はたいてい素直ですから、注意すれば「次は気をつけます」と返事をします。しかし1か月後にその店舗を訪問すると、また元の状態に戻ってしまっている。悪意があってそうしているわけではありません。人は繰り返し指摘されないと忘れてしまう生き物です。「何度言ったらわかるんだ」と怒っても、あまり意味がありません。きちんと定着するまで、指導する側は粘り強く教えていくべきです。
他店のことを考えるよりも、自分たちの商売に徹するのがうちのやり方です。大切なのはお客さまが何を欲しているのか。私は常にそれだけを考えてきました。自分たちの考えが正しいかどうかを教えてくれるのはお客さまだけだと思っています。
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社外の交友関係などは一切広げずに、常にお客様のことだけを考え続けていました。自分に期待してくれる人に少しでもお返しをしたい。だから時間も体力も無駄遣いしたくなかったんです。
カレーの作り方も最初は教えていただきました。でももっと良い店にしよう、もっとお客様に喜んでもらおうと考え続けていく。これは誰かから教わるものではありません。その結果、目の前の達成可能な目標を達成し続けて、右肩上がりで成長を続けることになりました。
お客様が満足する経営にゴールはない。
生きている間はやり続ける。お金は使い切ってもいい。社会に恩返しをしたいと経営者の時から考えていた。
ココイチは飲食業界のなかでもかなり細かい部分までマニュアルを定めている方だと思います。しかし、マニュアルだけでは絶対に対応できない細かな部分は当然存在します。それを指導するためには、やはり現場に入ることが大切なのです。
もちろん、カレーのおいしさもあるのでしょうが、自分としては、やっぱり接客にこだわり続けたことが一番だと思っています。接客にこだわると、当然ですが現場主義になる。1人でも多くのお客様に「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」と言いたいし、満足そうなお顔、不満そうなお顔を自分でちゃんと確認したいじゃないですか。そして現場主義を貫くと、お客様に喜んでもらうためのアイデアが湯水のようにわいてくる。それをトライアンドエラーで繰り返し試しながら、うまくいったものをかたちにして磨いていったのです。
私は現役時代、趣味も持たず、友人もつくりませんでした。飲み屋に行ったこともありません。仕事の邪魔になることは、何ひとつやりませんでした。年間5640時間働くこともありました。そうやって率先垂範しないと、部下は働いてくれないと思ったからです。
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