女は決して征服されない。決して!男が女に対する崇敬の念から凌辱を敢てする場合がままあるやうに、この上ない侮蔑の証しとして、女が男に身を任す場合もあるのだ。愛する者はいつも寛大で、愛される者はいつも残酷さ。
三島由紀夫
三島由紀夫のその他の名言
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法律とは、本来ごく少数者のためのものなのだ。ごく少数の異常な純粋、この世の規矩を外れた熱誠、……それを泥棒や痴情の犯罪と全く同じ同等の悪へおとしめようとする機構なのだ。
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ヒットラーは政治的天才であつたが、英雄ではなかつた。英雄といふものに必要な、爽やかさ、晴れやかさが、彼には徹底的に欠けてゐた。ヒットラーは、二十世紀そのもののやうに暗い。
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女を抱くとき、われわれは大抵、顔か乳房か局部か太腿かをバラバラに抱いてゐるのだ。それを総括する「肉体」といふ観念の下に。
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いくら成人式をやつたつて、二十代はまだ人生や人間に対して盲らなのさ。大人がしつかりした判断で決めてやつたはうが、結局当人の倖せになるんだ。
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男といふものは、もし相手の女が、彼の肉体だけを求めてゐたのだとわかると、一等自尊心を鼓舞されて、大得意になるといふ妙なケダモノであります。