志村けん
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テレビの世界はとにかく数をたくさんつくれないと役に立たない。
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お笑いには「三つオチ」といって、1、2、3でおとすという定石がある。コントでもなぜか3人目を笑わせなきゃいけない。
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今の若い芸人の番組なんかだと、最初のメインがなくて、遊びの部分ばかり多くてゲームになっている。本当は何をしたいのかが、どうもよくわからない。そもそも芯になる、やりたいものがないのか、15分とか20分の長くてしっかりとしたコントをつくるのが大変だから逃げているのか。そのあたりが、僕には不満なところだ。でも、そのつらいところをしっかりつくっておくと、ほかのコーナーが生きてくる。
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ベンチひとつで何ができるか、といったシンプルな笑いの基本に返るのが大事。
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気取らないこと。とにかく飾らない。自分を大きく見せようとする段階で人はうそをつくし、それはすぐに見破られるものですよ。
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ムダなことでもなんでも知ってた方がいい。知らないと損をすることはあっても、知ってて損することはないから。
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原点に返る。
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番組中で屁をすると、下品だとか低俗だとかずいぶん非難されたけど、僕はオナラは万国共通のギャグだと思ってる。
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僕は共演者に対しては、あまり演出とかはしない。本人に任せる。
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今思うと、あのころの僕はただ無我夢中で、なんでも一生懸命やろうとして力が入り過ぎていたのだ。後になってわかったことだけど、本当はその逆で、楽しく遊んでるように見せるのがお客さんを笑わせるコツだ。「こいつら本当に楽しそうにやってるな」って思うから、お客さんは笑う。
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20代のころは「早く歳を取りたいな」という思いはありました。いい歳した大人がバカをやるからカッコいい、いい笑いになるんでね。50歳はまだまだで60歳を過ぎたいま頃からがそろそろかなと。と言いつつ、実際にそうなると、実感がわかないんですよ。酒量もあまり減らないし。やってることも、若いころと何一つ変わってないですからね。
いちばん頭のオレが当たり前のことをキチンとやることで、現場にいい意味での緊張感が生まれてくる。
何よりお笑いには音楽性がすごく大事。お笑いは間とタイミングで決まるものなんだけど、そのセンスはまさに音楽的センスであり、リズム感なんだよね。コントの会話のリズムも、それを少し狂わすからおもしろいのに、もともとのリズムがわかっていないと、狂わすこともできないわけだから。
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おいしいところをゲストに。それは僕のいつもの考えだ。
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たとえば、舞台であるセリフを間違える。お客さんは自分が観た回だけ間違えたと思う。でも、実は毎回わざと間違えているわけです。アドリブっぽく見せるのもひとつの芸なんです。
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とにかく面白いコントを作りたい。そう思わせた最大の要因は、やっぱり育ってきた家のなかの暗さにあったんじゃないかな。親父は小学校の教頭をやっていたんですけど、ガチガチの堅物でね。普段はニコッともしない。しかも講道館柔道の5段なんですよ。講道館柔道というのは実践的なケンカ柔道で、実質的には5段以上はいないと言われてて、ホント、こわくてね。下手に口答えでもしようものなら、すぐにバーンと足払いですから。そんな家に、笑いなんかあるわけないじゃないですか。そんな雰囲気のなか、夕飯のとき、お笑い番組をつけていると、それを見て親父がクスッと笑う。その瞬間、家のなかがパッと明るくなるのが嬉しくてね。「ああ、笑いの力ってすごいんだな」って。
音楽をプラスすると笑いが強くなる。
みんなの笑顔が見たいから。
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テレビの仕事は、僕たちもスタッフも、手を抜こうと思えばいくらだって抜ける。でも1回手を抜いたら、つまらなくなってしまうのは目に見えている。だから、やっている間はとことんまでやるしかない。
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オレなんか変なおじさんしかなくて、これでずっとやってるよ。
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