マルクス・アウレリウス・アントニヌス
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もうしばらくすれば君は灰か骨になってしまい、単なる名前にすぎないか、もしくは名前ですらなくなってしまう。そして名前なんていうものは単なる響き、こだまにすぎない。人生において貴重がられるものはことごとく空しく、腐り果てており、取るに足らない。
祖父ウェールスからは、清廉と温和。
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幸福はどこにあるのか?名誉を愛する人は、他人の行為の中にあると考える。快楽を愛する人は、自分の感情の中にあると考える。悟った人は、自分の行動の中にあると考える。
2
幸福は、その人が真の仕事をするところにある。
未来を思い煩うな。必要あらば、現在役立ちうる知性の剣にて十分未来に立ち向かわん。
死とは感覚を通して来る印象や、我々を糸であやつる衝動や、心の迷いや肉への奉仕などの中止である。
他人のなすあらゆる行為に際して自らつぎのように問うてみる習慣を持て。「この人はなにをこの行為の目的としているか」と。ただし、まず君自身から始め、第一番に自分を取調べるがいい。
人生は闘争にして、仮の宿なり。
他人の厚顔無恥に腹が立つとき、ただちに自問してみなさい。「世の中に恥知らずの人間が存在しないということがあり得ようか」と。そしてそれに「あり得ない」と答えるだろう。それならば、あり得ぬことを求めてはいけない。
エピクテートスがいったように「君は一つの死体をかついでいる小さな魂にすぎない」。
君は理性を持っているのか?「持っている。」それならなぜそれを使わないのか。もしそれがその分を果しているならば、そのうえ何を望むのか。
つねに、そしてできることならあらゆる場合において、自分の思念に物理学、倫理学、論理学の原理を適用してみること。
罪を犯す者は、己自身に対して犯すなり。不正の人は、自ら己を悪者にする意味において、己の不正の犠牲者なり。
事物はそれ自体いかなるものであるか、その素材、原因、目的に分析してみるべきである。
死は誕生と同様に自然の神秘である。同じ元素の結合、その元素への〔分解〕であって、恥ずべきものでは全然ない。
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最も完全な復讐は、侵略者の真似をせざることなり。
君の全生涯を心に思い浮べて気持をかき乱すな。どんな苦労が、どれほどの苦労が待っていることだろう、と心の中で推測するな。それよりも一つ一つ現在起ってくる事柄に際して自己に問うてみよ。「このことのなにが耐え難く忍び難いのか」と。
忍耐は正義の一種なり。
君の考えを美辞麗句で飾り立てるな。余計な言葉やおこないをつつしめ。
善い人間のあり方如何について論ずるのはもういい加減で切り上げて善い人間になったらどうだ。
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