弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我するんです。幸福に傷つけられる事もあるんです。
太宰治
太宰治のその他の名言
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過ぎ去ったことは、忘れろ。さういっても、無理かもしれぬが、しかし人間は、何か一つ触れてはならぬ深い傷を背負って、それでも、堪えてそしらぬふりをして生きているのではないのか。
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人間なんて、そんなにたくさん、あれもこれも、できるもんじゃないのだ。しのんで、しのんで、つつましくやってさえゆけば、渡る世間に鬼はない。
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自分は修身教科書的な正義とか何とかという道徳には、あまり関心が持てないのです。あざむき合っていながら、清く明るく朗らかに生きている人間が難解なのです。
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君のような秀才にはわかるまいが、「自分の生きていることが、人に迷惑をかける。僕は余計者だ」という意識ほどつらい思いは世の中に無い。
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電気をつけちゃ、いや!」するどい語調であった。隣室の先生は、ひとりうなずく。電気を、つけてはいけない。聖母を、あかるみに引き出すな。
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学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。勉強しなければいかん。
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私は自分を、幸福な男だと思った。悲しみは、金を出しても買え、という言葉が在る。青空は牢屋の窓から見た時に最も美しい、とか。感謝である。この薔薇の生きて在る限り、私は心の王者だと、一瞬思った。