魔裟斗
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見た人にとっても、1位であれば記憶に残りますが2位は記憶に残ることはない。「あ、そういえばいたね」という程度でしょう?意味がないんです、1位でなければ。
格闘家は、必ずお客様を意識しながら闘う義務があると私は考えています。自分のプライドだけをかけた戦いであれば、それこそ二人きりで巌流島でやっていればいい。でも私はそういう「勝負」をしたいのではなく、仕事として「ファイター」をやっているわけですから、お客様の求めるものを提供しなくてはいけないでしょう?ストイックな練習もやってきましたが、すべてはその意識が根底にありました。
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現役を終えて「K-1」のプロデューサーになっても、やはりお客様の視点を大事にしています。対戦カードの組み方、プロモーションとしての「あおり」、会場演出・・・それらのワクワク感を大事にして、大金を稼ぐことができるスター選手を育てていくのが今の私の役割です。
完全燃焼したにはしたけど、やっぱり辞める時は一番じゃないとオレじゃないな。
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王者の座についてからは、状況が一変しました。プレッシャーがとにかく強くなった。最初にチャンピオンになったのは23歳のときでしたが、「負けられない」という一心で練習を増やしすぎてしまって、オーバーワークになっていったんです。
これだけ練習したのだから負けることはない。
お客様あっての興行ですからね。あるべき道を、後進に伝えていきたいと考えています。
肉体と精神はつながっていますから、精神が疲れていると身体に異変をきたしますし、その逆もしかり。当時は、肉体が疲れすぎて、精神がかなり疲弊した状態でした。若い頃は精神が弱いものですので、余計に疲弊しがちだったんですよね。
村田くんのことは、大学生の時から知ってますよ。
最近気付いたんですよ人間の最大の喜び人に必要とされること。
私はストレスを発散するような趣味や手段をもっていなかったので、とにかくもう耐えるしかなくて。自分がどうにかなってしまうんじゃないかと自覚するくらい、精神のバランスがおかしかったと思います、当時は。
努力すれば報われる?そうじゃない報われるまで努力するんだ。
やはりライバルというか、因縁の相手ですからね。「これも運命かな」と思いました。
ボクシングの選手や、いろんな選手に来てもらってたんですよ。その中に村田君がいたの。
引退試合とはいえ、いつもの試合と変わりませんでしたよ。いつもと変わらずに強い相手とやるという感じでした。
試合の1週間前になると練習量を一気に落として調整に入りますから、一気に身体が楽になる。そうなるとマイナス思考のルーティンから抜け出してプラス思考になり、「俺が負けるはずがない」と自信もみなぎってくる。
村田が来るっていう日は憂鬱でしょうがなかった。強いし。
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負けても次があるみたいにケロっとして、また試合に呼ばれて戦っている…そんなふうにだけは絶対になりたくない。
アンディも絶対にKOを狙って倒しにくると思っていたので、激しい打ち合いをイメージしながらリングに向かっていました。
キャリアも後半になると経験から考えられるようになるし、精神もある程度は図太く鍛えられてきますから、次第にメンタルバランスに苦労することはなくなりました。そのうえで、信頼すべきトレーナーとの出会いがあり、彼の導きで、より強い精神と肉体のバランスをとれるようになっていきましたね。
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