伊達公子
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年齢を経ていくと人生が下降していくようなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、私は決してそうではないと思います。たくさんの経験があるということは、それだけ選択肢をたくさん持っているということ。大事なのは、それをフルに活用するつもりで、日々前進することを忘れないことだと思います。
テニスは、自分が自分で居られる場所。自分を表現できる場所。
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勝ち負けにこだわるというよりも、勝ち負けにこだわって、真剣に闘っている瞬間が好きなんだと思います。
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私は過去を振り返らない。今のことだけ考えている。
力を抜かず挑戦し、限界を越えたところで、また自身の力が伸びる。
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ここまでこられたこと自体、奇跡に近い。
年齢に縛られてやらないんだったら、これから、なにもできなくなる。
人生にままならないことはたくさんあっても、挑戦に年齢制限はない。
日頃の努力があって精神面が生きる。技術は精神以前にやっておかなきゃいけないこと。
諦めることは簡単だしいつでもできる。
若い選手の踏み台になるつもりでコートに立つ以上、私が強くならないと意味がない。
試合はまるで、人生のようです。
いま、一番難しいところに来ているのかなと思っています。これまでは、痙攣の克服と、スピードテニスに対する反応を重点的にやってきたのですが、いまは疲労を溜めないで、どれだけ早く回復させて、いい状態で試合に臨めるか、というのが自分の中では課題になっている。
継続するということは、同じことの繰り返しではなく、成長し続けることなのです。
ありがたいことに「20代の現役のときよりいまのほうが、身体能力が高くなっているのでは?」とよくいわれます。たしかに、ある部分ではそうかもしれません。それが可能になったのは、自己管理の結果なのではないかと自分では思っています。以前よりストレッチは入念に行いますし、疲労をとって回復力を高めるためのマッサージも欠かしません。試合のためにできる限り準備をして、無理はするけれど無茶はしないように心がけています。
心のなかで限界をつくらなければ、人間の可能性はひろがっていくと、私は信じている。
選手の時代は一時期だけ。それより一人の女性として生きていく時間のほうが長い。
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強さとは負けることを恐れないこと。
若いころは体力に任せてただがむしゃらに突っ走る、というところがありました。練習も可能な限り時間をとって、限界までハードなことをするというやり方です。でもいまは、体の声を聞きながら、量より質を重視したトレーニングをするようになりました。
いくつになっても夢を持つことは素敵なことだし、たとえそれを実現できなくても、新しい一歩を踏み出すこと自体がすてき。
伊達公子のすべての名言