豊臣秀吉
1
やるべき事が明確であるからこそ、日夜、寝食忘れて没頭できる。
2
女狂いに好き候事、秀吉真似これあるまじき事。
人と物争うべからず、人に心を許すべからず。
何事もつくづくと思い出すべきではない。
財産を貯め込むのは、良い人材を牢に押し込むようなものだ。
4
ひそかにわが身の目付に頼みおき、時々異見を承わり、わが身の善悪を聞きて、万事に心を付けること、将たる者、第一の要務なり。
およそ主人たるもの、1年使ひ見て、役に立たぬときは暇を遣はし、家来としては、三年勤めて悪ししと知らば、暇をとること、法なり。
人の意見を聞いてから出る知恵は、本当の知恵ではない。
主人は一年、部下は三年。
いくら謙信や信玄が名将でも、俺には敵わない。彼らは早く死んでよかったのだ。生きていれば、必ず俺の部下になっていただろう。
それは上々、一段の吉日にござる。信長公のために討ち死にするは覚悟のうえ、二度と生きて帰ろうとは思わぬ。さてまた光秀の天命が尽きれば、大利を得て、思いのままに国をもらい、この播磨の城に帰ることはない。
奢らずとても久しからず。
世が安らかになるのであれば、わしはいくらでも金を使う。
金銀多分積みおくは、よき士を牢へ押しこめおくにひとし。
3
どこへ逃げたって、日本全国は俺の庭だ。気にするな。
猿・日吉丸・藤吉郎・秀吉・大閤、これも又皆がいやがるところでの我慢があったればこそ。
返す返す秀頼のこと頼み申し候五人の衆頼み申し候頼み申し候。
金を溜め込んで使わないのは、良い侍を牢屋に入れておくことと同じ。
いつも前に出ることがよい。そして戦のときでも先駆けるのだ。
露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことは夢のまた夢※辞世の句。
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