手塚治虫
0
<大学生への3つ直言>。
1
僕は諸星さんの絵だけは描けない。
送り手によって都合のいいように、情報は歪められ得る。
ファンタジー作品は、論理的に解釈されるべきものではない。
合理化はゆとりや遊びの空間を消して、むしろ人を遠ざけることになります。
2
一生に一本でもいい。どんなに苦労したって、俺のマンガ映画を作って、この感激を子どもたちに伝えてやる。
空想だけは、空腹や金と無関係にできる、唯一のものだった。
子供の空想ほど、ファンタスティックな世界はない。それは不条理が当たり前の世界だから。
人の命なんて、心配してもしなくても、終わる時には無情に終わるものだ。
3
何より重要なのはハングリーな気持ち。常に何かに飢えている緊張感が僕の健康を支えている。もうこれで十分満足、と落ち着いた途端にスタミナが切れて、ダウンしてしまう気がする。
教師の放つ子供への言葉の力というのは、よくも悪くも深く作用する。
野球ものも考えていますが近頃の阪神の不振に聊か、くさっているので書く気がありません。
マンガというものは、もっと無責任でいいと思う。そこまでマンガを深読みすることないと思うんですよ。イデオロギーに沿って描いたって、絶対に面白いものは生まれない。
いろんな街の路地裏には、さまざまな人生の味気がしめこんでいる。
子供達に何百ページもの長編を、時間をかけてゆっくり読ませたい。技術教育偏重の育て方。ダイジェスト花盛りの傾向も反省すべきだろう。なによりも、安心してそういったものが読める、ゆとりのある世の中にしてもらいたいものだ。
今ここで自分が描かなければ誰が描くんだろう。
ひとつのものがずうっと、定着してしまっているということは、逆に不安定で、ぼくに言わせれば「死んだ芸術」ですよ。
君はいいよねえ。野球漫画だけ描いてればいいんだから。
いいものは売れるんです。
労働組合を作ろう。
手塚治虫のすべての名言