岡潔
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野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心。
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数学の営みは「おのれの情緒を外部に表出する学問芸術」であり「情緒を表現して数学を創造する」ことだ。
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今、たくましさはわかっても、人の心のかなしみがわかる青年がどれだけあるだろうか。
人は無明を押えさえすれば、やっていることが面白くなってくるということができるのです。
こういう世相にあって、のんきな数学などは必要ないと思う方もあるかも知れません。しかし、数学というのは闇を照らす光なのであって、白昼にはいらないのですが、こういう世相には大いに必要となるのです。
敬虔ということで気になるのは、最近、「人づくり」という言葉があることである。人の子を育てるのは大自然なのであって、人はその手助けをするにすぎない。「人づくり」などというのは思い上がりもはなはだしいと思う。
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日本は個性を重んずることを忘れてしまった。
今の教育では個人の幸福が目標になっている。人生の目的がこれだから、さあそれをやれといえば、道義というかんじんなものを教えないで手を抜いているのだから、まことに簡単にできる。
数学のもとになるのは頭ではない。情緒だ。
本質は直観と情熱でしょう。
自分の好きなものだけが正しいのだと言う勇気はありませんね。
人は、男・女性に関するさまざまなことを、さまざまな経験によって知るのではなく、情緒的に、すでに知りつくしていることを、単に経験によって、具体的に知るだけのことなのです。
数学とは生命の燃焼です。
文章を書くことなしには、思索を進めることはできません。
明治以前の日本人は死ねばそれきりなどとは思っていなかったのであってこの一生を長い旅路の一日のごとく思っていたのである。
人と人との間にはよく情が通じ、人と自然の間にもよく情が通じます。これが日本人です。
人の中心は「情」であって、情の根底は「人の心の悲しみを自分のからだの痛みのごとく感じる心」すなわち観音大悲の心である。
私は三日かからねばつまり二晩寝なければ解けないという問題から問題と呼ぶことにしている。
心が納得するためには、情が承知しなければなりませんね。
問題を出さないで答えだけを出そうというのは不可能ですね。
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