岡潔
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科学が進歩するほど人類の存在が危うくなるという結果が出る。
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私についていえば、ただ数学を学ぶ喜びを食べて生きているというだけである。
オリジナルは生命の燃焼によってしか作れない。
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時間は情緒に近い。
本だって読むことより読みたいと思うことのほうが大切なのです。
日本だけのことではなく西洋もそうだが学問にしろ教育にしろ「人」を抜きにして考えているような気がする。
どの人がしゃべったのかが大切なのであって、何をしゃべったかはそれほど大切ではない。
人は動物だが、単なる動物ではなく渋柿の台木に甘柿の芽をついだようなもの、つまり動物性の台木に人間性の芽をつぎ木したものといえる。
理性のなかを泳いでいる魚は、自分が泳いでいるということがわからない。
日本人の美術的感性があればこそできることもある。
しかしこんな美しい地球を滅ぼさせたくないですね。
僕は論理も計算もない数学をやってみたい。
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情緒の中心の調和が損なわれると人の心は腐敗する。社会も文化もあっという間にとめどもなく悪くなってしまう。
自然数の一を知るのは大体生後十八ヵ月と言ってよいと思います。
さしあたって教育をどう攻めていくかであるが、経験から学ぶのが科学であるからには暗中模索するよりは戦前に戻してそこから軍国主義を抜けばよいと思う。
広い世界のものには関心が持ちにくく、狭い世界のものには関心が持ちやすい。
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数学は必ず発見の前に一度行き詰まるのです。行き詰まるから発見するのです。
現代は他人の短所はわかっても長所はなかなかわからない。そんな風潮が支配している時代なのだから、学問の良さ、芸術の良さもなかなかわからない。
私は悪漢の書いたものが好きで、真正直な人の書いたものが嫌いである。
問題を出さないで答えだけを出そうというのは不可能ですね。
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