岡潔
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数学は印象でやるもので記憶はかえって邪魔になる。忘れるものはドンドン忘れて行く。これが極意です。
情緒の中心の調和が損なわれると人の心は腐敗する。社会も文化もあっという間にとめどもなく悪くなってしまう。
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人間が人間である中心にあるものは科学性でもなければ論理性でもなく理性でもない情緒である。
さしあたって教育をどう攻めていくかであるが、経験から学ぶのが科学であるからには暗中模索するよりは戦前に戻してそこから軍国主義を抜けばよいと思う。
広い世界のものには関心が持ちにくく、狭い世界のものには関心が持ちやすい。
3
しかしこんな美しい地球を滅ぼさせたくないですね。
本だって読むことより読みたいと思うことのほうが大切なのです。
人は極端になにかをやれば必ず好きになるという性質をもっています。好きにならぬのがむしろ不思議です。
現代は他人の短所はわかっても長所はなかなかわからない。そんな風潮が支配している時代なのだから、学問の良さ、芸術の良さもなかなかわからない。
個性が出るようにするにはどうするかということを教えなければいけないのでしょうね。個性がなくなりました。
オリジナルは生命の燃焼によってしか作れない。
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勘は知力ですからね。これが働かないと、一切がはじまらぬ。
理想の高さが気品の高さになるのである。
数学上の発見に関して西洋人はインスピレーション型、日本人は情緒型。
私についていえば、ただ数学を学ぶ喜びを食べて生きているというだけである。
自分の研究の方向は分かった。そのためには、まずは蕉風の俳諧を勉強しなければならない。
どの人がしゃべったのかが大切なのであって、何をしゃべったかはそれほど大切ではない。
野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心。
理性のなかを泳いでいる魚は、自分が泳いでいるということがわからない。
自然数の一を知るのは大体生後十八ヵ月と言ってよいと思います。
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