岡潔
2
人は極端になにかをやれば必ず好きになるという性質をもっています。好きにならぬのがむしろ不思議です。
0
本だって読むことより読みたいと思うことのほうが大切なのです。
1
時間は情緒に近い。
日本人の美術的感性があればこそできることもある。
オリジナルは生命の燃焼によってしか作れない。
人は動物だが、単なる動物ではなく渋柿の台木に甘柿の芽をついだようなもの、つまり動物性の台木に人間性の芽をつぎ木したものといえる。
3
科学が進歩するほど人類の存在が危うくなるという結果が出る。
情緒の中心の調和が損なわれると人の心は腐敗する。社会も文化もあっという間にとめどもなく悪くなってしまう。
理想の高さが気品の高さになるのである。
足が大地をはなれて飛び上がっているようなもので、第二歩をだすことができない。そういうのを抽象的といったのです。
さしあたって教育をどう攻めていくかであるが、経験から学ぶのが科学であるからには暗中模索するよりは戦前に戻してそこから軍国主義を抜けばよいと思う。
私についていえば、ただ数学を学ぶ喜びを食べて生きているというだけである。
言葉で言いあらわすことなしには、人は長く思索できない。
どの人がしゃべったのかが大切なのであって、何をしゃべったかはそれほど大切ではない。
苦心を払わせるものを私は情熱といっている。
理性のなかを泳いでいる魚は、自分が泳いでいるということがわからない。
個性的なものを出してくればくるほど、共感がもちやすいのです。
自然数の一を知るのは大体生後十八ヵ月と言ってよいと思います。
数学は必ず発見の前に一度行き詰まるのです。行き詰まるから発見するのです。
いまの人類文化というものは、一口に言えば、内容は生存競争だと思います。生存競争がないようである間は、人類時代とはいえない、獣類時代である。
岡潔のすべての名言